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☆こなゆき☆『かがみのお節介』 「あ、おはようございます泉さん、つかささん」 教室に入ってすぐみゆきさんが笑顔であいさつをしてきた。つかさが先にに答え、私も続いて返事をした。 「おはよー、みゆきさん。相変わらず早いねえ」 「眠そうだね、こなちゃん。またゲーム?」 「なかなかキリが悪くてねー」 「私はそういうのは少し羨ましいですね。夜更かしは…頑張って10時半が限界ですから」 「いやいや、みゆきさんはかえってその方がいいのかもよん。ほら、あんまり夜更かししてたらこーんなにいい肌はキープできないよ」 私は手を伸ばしてみゆきさんの頬をちょいちょいと突付いた。みゆきさんは少し苦笑いになりながら恥ずかしそうに赤くなっていた。 「そ、そんな…泉さんのほっぺただってこんなにぷにぷにじゃないですか」 そう言いつつ、みゆきさんもまた私の頬を軽く突付いた。 「いやんくすぐったい♪」 「2人とも仲良しだね~」 ……という感じで今日も変わらずみゆきさんとじゃれあって遊んでいる。 相変わらず照れ顔のみゆきさんは凄く可愛い。うん。 「ほうら席につけー!」 チャイムが鳴り、黒井先生が教室に入ってきた。私たちは直ぐに話を中断して席に付いた。 昼休み――それは退屈な学校生活における数少ない娯楽のひと時―― 机をくっつけ、作ってきた弁当を見せ合い、くだらなくも楽しく談笑をする…それはこの上無き安らぎの時間…ッ 「?、なんか楽しそうだねこなちゃん」 「まあ。そんなにお腹が空いていたんですか?」 「3時限目あたりからギュルギュル鳴ってたよ」 やっぱりランチタイムと言うのは楽しいもんだ。三人ともそれぞれ自分の弁当を取り出す。 「うわあ…相変わらずゆきちゃん凄いお弁当だね」 「はい…今日も、たくさん作ってきてしまいました…」 取り出しましたるは4段重ねの重箱弁当。ここ最近、みゆきさんは物凄い量のお弁当を作って持ってきている。 みゆきさんはあまり料理は得意でなかったんだけど、私とつかさ、あと峰岸さんに教わってからは、料理が楽しいらしく、こうして大量に作ってきてはみんなにおすそ分けしている。 ちなみにこの弁当、無理なダイエット中のかがみを号泣させたことのある代物でもある(ドラマCD参照)。 「あれ…ところでかがみは?」 「……いらっしゃいませんね」 いつもならこの辺で「おっす」とか言いながら来るはずなのに。と、突如メールの着信らしき音が鳴り出した。 アニソンじゃないので私じゃない。なんて思っていると、つかさがポケットからピンクのケータイを取り出した。 「………お姉ちゃんからだ。…お姉ちゃん、今日は日下部さんたちと学食で食べるんだって」 「えー!?」 「そうですか…なら仕方ないですね…」 「……じゃあ食べよっか」 渋々しながら三人は弁当を広げた。やはりというかみゆきさんのが圧倒的だ。これをかがみ抜きで完食せよとおっしゃるのか。 「あ、あの…無理はしなくてもいいですよ・・・?」 「何言うかみゆきさん!今食べないと絶対傷むよ!?」 「もう暑いもんねぇ」 「でも残りそうなら他の方にもおすそ分けしますよ。例えば…副委員長さんとか」 「A君?……ダメッ!あんな軟弱ものにみゆきさんの手料理は食べさせられんよ。……あ、美味しい」 「食材の切り方も上手くなったねぇ」 「あ、ありがとうございます」 つかさが評価を下し、みゆきさんがそれに従う。なるほど、かがみの言うとおり異常な光景に見えるなあこれは。 「ところで、もうすぐテストがあるよね?私分からないところがあって、ゆきちゃんにちょっと聞きたいとこあるんだけど」 「聞きたいことですか?……なら今日の放課後、勉強会をしましょうか?丁度この時期にいつもしてますし、ね?」 「うん、私はいいよ?こなちゃんもいいよね?」 「んー……?」 めんどくさい。それが素直な感想だった。けどまあいつものことだし、断ったらかがみに怒鳴られること受けあいだし、…まあそれほど悪い気もしないし。 「いいよ。放課後ね」 「はい!………あら、泉さん…」 急に顔を近づけられ、たじろいでしまう。 「ふふ…ほっぺにごはん粒ついてますよ」 みゆきさんの人差し指にゆっくり頬を撫でられた。そして指ですくったお米をそのまま食べてしまった。 「…………」 「泉さん?」 「き………」 「き?」 「キタアアアア!ヒョイパク来たあああああああ!!」 「え?え?」 「さすが分かってるね、みゆきさん!単純ながら絶大な破壊力を持つ必殺技!これをされてときめかぬ男子などいないッ!!」 「泉さん!と、とにかく落ち着いてください!」 …そんな騒がしく楽しい、極いつも通りの昼食だった。相変わらずみゆきさんは萌えさせてくれる。一緒にいて飽きない、自慢の親友だ。 「…あれ」 昼食を平らげたので次の授業の準備をしようとした。まあ教科書を取り出そうとしたくらいだけど。…ところが机の中にはその教科書が無い。 …忘れた?や、私はいつも学校に教科書を置いて帰っているのでそれは無いはず。当然、鞄は空っぽだ。 (世界史か……やっぱり記憶に無いなあ) 「?泉さんどうしました?」 隣を見ると、みゆきさんは既に授業の準備を完了していた。そして直ぐに何事かも分かったらしい。 「もしかして…忘れ物ですか?」 「うん。教科書がない」 どう頭を捻っても家に持ち帰った記憶が無い。唸っているところでつかさが口を開いた。 「今日は確かC組も世界史はあったと思うよ?お姉ちゃんに頼んでみたらどうかな?」 「…それしかないかあ」 いつもの2人と学食に行ったらしいけど、まあそろそろ戻ってる頃だろうね。 「じゃあちょっくら行ってくるよ」 席を立ち、私はC組に向かった。 もう何度も入ったことのあるC組の教室。当然かがみの席の場所も把握している。既に目が向いていた。 「か~がみ~」 「お、こなた。昼は悪かったわね」 実に慣れた様子。そして私が何の用があったのかもおおよそ見当がついてそうだ。 「…また宿題?」 「ハズレ。実は教科書忘れてさ~」 「アンタが?珍しいわね」 「世界史なんだけど貸してくれる?」 「はいはい…っと」 程なくしてかがみは世界史の教科書を取り出した。…が、それをそのまま渡してはくれなかった。何やらかがみは一点を見つめている。 しばらくしてかがみが申し訳なさそうに目線を合わせてきた。 「………ごめん、これアンタのだわ」 「えぇー!?何ソレ!!」 思わず声をあげる。どうやら先ほど凝視していたのは名前欄のようだ。 「ずっと前貸してもらってそのままだったのね……」 「記憶に無いはずだよ…」 「ごめん!ほんとごめん!!…テスト週間前なのは幸いだったわ…」 テスト。その言葉に忘れていたことを思い出した。 「そうそうかがみ、今日放課後に勉強会やろうってことになったんだ。当然来るよね?」 もちろん。――そんな言葉で即答されると思い込んでいた。けれどかがみは少し考える仕草をした後、思いもよらぬ言葉を口にした。 「私パス」 あまりに短い返答だった。 「え、なんで!?」 「う~ん、今日はちょっと、ね」 「そんな~…かがみが来ると思ったから私も参加したのに…」 「何よソレ」 「今まで私が来なかったらすっごい怒ってたじゃん」 かがみはわざとらしいくらいに肩を落とし、大きくため息をついた。そしてあごに手を当て、また何か考えてるようだった。 「………ちょっとアンタと話したいことがあるんだけど」 「え」 露骨に嫌な顔をしてみせた。また何か説教をされると思ったからだ。でもどうやら違うみたい。 「まあ、大したことでもないんだけど……」 「んー?時間無いからなるべく簡潔にね」 「簡潔ね…」 「ほぅら早くぅ」 「アンタみゆきの事、好きでしょ」 「っ!!??」 この上なく簡潔、それでいて冗談のようなかがみの言葉。思わず息を詰まらせてしまうがかがみは冗談のつもりではないらしい。 「な、ななな…何を言ってるのかね君は!?」 「最近のアンタのみゆきへの態度を見るとそうも見えるわよ」 何を言ってるのか、本気で理解が出来なかった。話が急すぎて理解が追いつかないのもあると思う。それでも私のみゆきさんへの態度がそう思わせるのはちょっと飛躍しすぎじゃなかろうか? 「いや、いつも通りでしょ?少なくとも私は意識してないよ」 「…じゃあ自分で気づいてないってことかしら?」 「そ、そりゃ頼れる親友だけど…でも、だからってそんな…いやだからそういうのとは違うってば!」 いきなり頭の中をかき回された感じだ。言葉がうまく出てこない。 「…いくらなんでも動揺しすぎよ」 「かがみが変なこと言うからじゃん!」 嫌な汗がどっと出てくる。拭うのも忘れるほど、私は明らかに動揺していた。 一方かがみは、しらけたような、或いは探るようね目で覗いてくる。 「…本当にそうじゃないのね?」 「断じて!」 「ふぅん……」 ちょっとした静寂が2人の中に流れた。そしてすぐにかがみの顔つきも変わった。 「じゃあ…私がみゆきを貰っても、問題ないのね?」 「なっ……!?」 また頭の中が真っ白になる。今度は言葉そのものを奪われてしまった。 「みゆきって優しいからねぇ。ずっと前に私が風邪引いた時とかも、ただの風邪なのにわざわざお見舞いにフルーツまで持ってもって来てくれたのよ。 しかもそのフルーツの皮を剥いて食べさせたりしてくれたし。後、隣のクラスで家も遠いのにプリント届けてくれたり、休んでた時の分のノートとかもちゃんと見せたりしてくれて、本当に頼りになるわ」 「そ、それは……それはみゆきさんが優しいからで……別に、かがみが特別なんじゃ…!」 自分が凄く嫌な事を言ってるのがわかる。実際にそれを言ってしまうほどに私は混乱していた。 「誰にでも特別優しいから…でしょ?きっと私だけじゃないわ。あんたのクラスの男子とか、もしかしたらつかさだって……」 「ッ…………」 嫌だ。 少しだけ、想像した。みゆきさんが誰かの恋人になるのを。たまらなく嫌だった。男子でも女子でも。 「……はい、これ」 俯き加減の私にようやく教科書を渡された。でも今の私の関心はそこには無い。 「かがみ…」 「さっきのは冗談。………でもこれで分かったんじゃない?自分に正直になりなさいよ」 よく分からない。頭が回りきらないうちに昼休みの終わりを告げるチャイムがなった。回りの生徒たちも自分の席、或いはクラスに戻っていく。 「ほれ早く戻んなさい。黒井先生でしょ?殴られるわよ」 「あ、うん……教科書ありがとうね、かがみ」 「………元々アンタのだけどね」 それもそうだった。苦笑いになりながら私は自分のクラスに戻った。 いつもながら同年代の誰よりも小さい背中を見送るかがみ。小さくため息が出てしまう。 (我ながらお人よしねえ…) それにしても、とかがみは思う。こなたは普段は他人の恋沙汰なんて面白おかしく小ばかにするくせに、自分の事になるとまるで耐性が無い。…まあ人の事もいえないか。 (勉強会か…) きっとつかさも居るだろう。だがあの2人の間につかさが入るというのは…ちょっと面白くない気がしないでもない。 かがみもまた厄介なことを言ってくれる。今やもうみゆきさんを直視するのがちょっとキツイ。 結局、授業にも集中できず、先生から何発もの拳骨を喰らうことになった。 「頭いたいよぉー…」 「こなちゃんすごく叩かれてたもんね…」 「保健室行きますか?」 放課後、ほとんどの生徒はもう帰り、私たちは決めたとおり図書室で勉強会の真っ最中だ。 「いや、大丈夫だよ。ありがとう2人とも」 正直、そこまで痛みは残っていない。ただ何となく気まずい感じが拭いきれないのでわざと大袈裟に騒いで見せているのだ。 「ゆきちゃん、この問題なんだけど…先にこっちを解いたらダメなの?」 「着眼点は悪くないですね。確かにそれならこの手の問題は早く解くことが出来ます。…でもその式はちょっと複雑でミスをしやすいので慣れるまでは……」 真面目にみゆきさんの言葉を聞き、しっかりノートを取るつかさ。今の私にはできないだろうな。 そもそも2人っきりは無理だと思う。みゆきさんへの思いは私自身まだよく分かってない。願わくば、今日はつかさに時間を稼いでもらって適度に濁したいと思っている。 日を改めて自分を見つめなおしたい、と私は考えていた。 RRRRRRRRRR.... 突如、誰かのケータイが鳴り出した。昼も聞いた音、何か嫌な予感がした。 つかさは急いでケータイを取り出す。しばらくしてつかさの顔色が変わった。 「……ごめん、私もう帰らなきゃ」 「うぇ!?なんで!??」 「お母さんがちょっと体調崩したみたいなの。だから今日は帰って家の手伝いしなきゃ」 「え…大丈夫なんですか!?」 なんという絶妙なタイミング。というか明らかにおかしいでしょこれは。…まさか? 「ねえつかさ…誰からメール?」 「お姉ちゃん。…あ、かがみお姉ちゃんね」 やはり………ッ! 「仕方ありません、今日はこれくらいにしましょう」 「そ、そうだね!そろそr」 「ううん、私のことは気にしないで?それに、私ばっかりゆきちゃんに質問してたからこなちゃんに悪いよ。2人はそのまま続けて?」 「でも…本当によろしいんですか?」 「大丈夫だよ、そんなに深刻じゃないから!」 希望はほんの刹那だった。つかさは荷物をまとめ、さっさと帰ってしまった。ついに私とみゆきさんは図書室に2人きりとなってしまった。 「…続けましょうか。分からないことがあればなんでも聞いてくださいね?」 「う、うん…」 それからしばらくは真面目に勉強するしかなかった。問題が分かっても、分からなくても、どんどん進んでいく。 私もみゆきさんも一言も発さず、図書室にはペンが走る音だけが静かに流れていた。 チラッとみゆきさんの方をみる。普段から使われているであろう教科書は随所にメモやワンポイント等が見られ、いい意味で真っ黒に汚れていた。自分のそれは言うまでも無く白い。 (本当に勉強が好きなんだなあ) 何もかもが、自分と違っていた。外見もそうだけどそれ以上に中身が違う。勉強大好きでアニメにも興味ないし、全くといっていいほど共通点が無い。 それなのに。みゆきさんが、彼女と言う存在が…気になってしょうがない。 (素直に…か) かがみに言われてハッキリした。自分はみゆきさんが好きだって。可愛くて優しくて。一見完璧なんだけどどこか抜けてる。そんなみゆきさんが…大好きだ そんなことを考えていたのがいけなかった。ペンの動きが完全に止まっていて…それをみゆきさんに気づかれた。 「泉さん?」 「うおわぉ!?」 素っ頓狂な声をあげてしまった。しかしみゆきさんは気にならなかったようだ。 「やっぱり具合が良くないのですか?」 「え?」 「顔、真っ赤ですよ」 「嘘!?」 言われて気づいた。自分の顔が物凄い熱を帯びていることに。それを実感するとまたさらに過熱して行ってしまう。 「だ、大丈夫だよ!び、病気とかじゃないからさ…」 「……じゃあ、何故?」 「え……」 完全な静寂が訪れた。言葉につまり、何も言えなくなる。しかし心臓の鼓動だけはどんどん早くなってきた。 (素直に……) 素直……。………………言って、しまうべきなのかな…? 「泉さん?」 「あっ………」 限界だ。もう。胸がバクバクいってる。そのうち破裂してしまいそうなほどに。 ……………言おう。その方が楽になれるハズだ。 「………み、み、みゆき、さん」 「は、はい…?」 口で大きく、しかし気づかれないように深呼吸する。いつも軽口言うようにすればいいのに、出来ない。 前髪で視覚をさえぎったまま、みゆきさんの目を見ることも出来ないで居る。 それでも、声を、言葉を、押し出すように私は口を開いた。 「私っ…みゆきさんの事が……っ!」 ガラララッ (!?) 図書室の戸が開いた。その先に居たのは毎日顔を会わせていた人物。ゆーちゃんだ。すぐ後ろにはみなみちゃんも見える。 「あ、こなたお姉ちゃん、高良先輩!こんなところにいた!実は私たちもテスト勉強教えて欲しく…て……」 急にゆーちゃんの歯切れが悪くなった。きっと気づいたんだ。私たちの間に流れる、異質な空気に。 「…失礼しました」 後ろに居たみなみちゃんが、固まったゆーちゃんに代わって頭を下げた。そしてそのままゆーちゃんを連れ出し、静かに戸を閉めた…。 出かけていた言葉が死んだ。もうあれだけの勇気を振り絞るだけの体力は残っておらず、私は空笑いしながら力なくうな垂れた。 「泉さん」 「あ、いや。何でもないんだよさっきのは……」 暖かい手が私の頬をなでた。優しい手つき。何か懐かしい気もする。 「………私、泉さんが好き、です」 「!……」 目頭が一気に熱を帯びた。反射的にグッとこらえる。みゆきさんの表情はよく見えない。というか自分の前髪で遮ったままだ。 私は答えた。自分の抱えていた気持ちを。 「わ、私も……す、き…」 「本当によろしいのですか?泉さん」 「う、うん」 みゆきさんの膝の上に、向かい合わせになるように私は抱きしめられていた。そのため嫌が応にも視線が重なる。 最初は互いに躊躇っていたけど、気がつけばとても長いこと見つめ合っていた。 やがて目を瞑り、無言のままに私たちは、唇を重ね合わせていく…。 「んっ……」 柔らかく潤った唇だった。 「……んぅ…」 みゆきさんの抱きしめていない方の手が、私の胸や太ももなど、体中をを撫で回す。 一瞬、みゆきさんの口が離れた。 「…嫌なら、遠慮なく言ってくださいね?」 「うん、大丈夫…」 もう一度、口付けを交わす。更に今度はなんと舌を口内に滑り込ませてきた。流石にビックリしたけど、私は受け入れた。こちらからも積極的に絡ませていき、お互いの唾液をなんども交換していく。 …ここで凄く気持ちよくなっちゃって、この先の記憶はちょっと曖昧になっている。…多分この後もいろいろされたと思う。 でも、嫌じゃなかった。みゆきさんは、私のことをちゃんと見てくれて、気持ちよく導いてくれてくれたから。 (あ、そうなんだ…) 素直になる――こういうことなのかな……? 「…みゆきさん」 「はい?」 「ずっと、一緒にいてね?」 「…喜んで」 夕日の差し込む図書室で…あまりに子供のような少女と、あまりに大人っぽい少女が、いつまでもいつまでも抱きしめあっていた。 「…あれ?お母さん歩き回って大丈夫なの?」 「え、何が?」 「つ、つかさ!今から買い物行くから、ちょっと付き合ってくれない!?」 「ええ??」 ■☆こなゆき☆スレ別保管庫(1スレ目)に戻る コメントフォーム 名前 コメント 訂正しました、ご確認下さい -- konayuki (2010-03-23 03 21 44) 「まあ…大変ですね」 なんという絶妙なタイミング。というか明らかにおかしいでしょこれは。…まさか? 「ねえつかさ…誰からメール?」 「お姉ちゃん。…あ、かがみお姉ちゃんね」 やはり………ッ! 「仕方ありませんね、今日はこれくらいにしましょうか」 「そ、そうだね!そろそr」 「ううん、私のことは気にしないで?それに、私ばっかりゆきちゃんに質問してたからこなちゃんに悪いよ。2人はそのまま続けて?」 「分かりました。私自身、もう少しキリのいいところまで行きたいですし」 の部分を、 「え…大丈夫なんですか!?」 なんという絶妙なタイミング。というか明らかにおかしいでしょこれは。…まさか? 「ねえつかさ…誰からメール?」 「お姉ちゃん。…あ、かがみお姉ちゃんね」 やはり………ッ! 「仕方ありません、今日はこれくらいにしましょう」 「そ、そうだね!そろそr」 「ううん、私のことは気にしないで?それに、私ばっかりゆきちゃんに質問してたからこなちゃんに悪いよ。2人はそのまま続けて?」 「でも…本当によろしいんですか?」 「大丈夫だよ、そんなに深刻じゃないから!」 という風に訂正してほしいのですが、よろしいでしょうか? -- 144 (2010-03-22 02 04 20)
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「かがみー、勉強教えてくれない?」 「あら、珍しいわね。テストが近いわけでもないのに、こなたが勉強しようと思うなんて」 「でもはら、私たちももう受験生なんだから、そろそろ勉学に励まないと、って思うんだよね」 「へえ、やっとやる気を出したのね。もしかして、志望校とかも決めたの?」 「ううん、一応勉強しておいたら、大学の選択肢が広がるんじゃないかと思ってね」 「またそんな適当な目標を掲げて、すぐにやめちゃうんじゃないの?」 「大丈夫だって。じゃあ、明日かがみの家に行くから。明日は土曜日だし、宿題もいっぱいあるしね」 「ちょっとこなた、あんた宿題を処理するのが目的じゃないでしょうね」 「そんなことないって。ところでかがみ様。私めに数学の教科書を貸していただければ非常に有り難いのですが……」 「別にいいけど、あんた置き勉してるんじゃなかった?」 「この前持って帰ったんだよ。普段時間割なんてしないから忘れちゃって」 「ふーん、今度からはちゃんと持ってきなさいよ。はい。あ、でも次の次が数学だから休み時間になったらすぐ返してよね」 「分かってる分かってる。ありがとう、かがみ」 こなたは小走りで教室を出て行った。 それにしても、教科書を持って帰ったってことは、こなたも少しは勉強する気になったのだろうか。 柊家 「あ、そういえばつかさ、明日こなたが家に来て勉強する予定なんだけど、つかさも用事が無いなら一緒にやらない?」 「え、そうなの? でも明日私、ゆきちゃんにバルサミコ酢を使った料理を教えてもらうつもりなの。ごめんね」 「別に謝ること無いのよ。うーん、そうなると、明日はこなたと二人きりか。マンツーマンで勉強を叩き込んでやろうかしら」 土曜日になった。昨日早く起こしてと頼まれていたので、つかさを叩き起こす。つかさは寝ぼけ眼で出かける準備をして、九時半には家を出てみゆきの家に行った。 現在時刻は十時過ぎ。こなたはまだ来ない。 そういえば、こなたは何時に行くなんて具体的なことは言ってなかった気がする。もしかしたら、まだ寝ているのかもしれない。 こなたに限って約束を破るなんてことは無いだろうが、早く来て欲しい。 人間、友人が家に来る直前は、何も手につかないと思う。結局勉強も読書も何もせず、そわそわと部屋中を動き回っていた。 チャイムがようやく鳴った。やっと来たかと思いながら玄関に行く。 「やぁかがみ。外は暑いねー。砂漠で体力が減る理由が分かった気がするよ」 「こなた、遅かったわね。今まで何してたのよ。寝てたの?」 「そんなことないって。ちゃんと九時には起きてたよ。でもあんまり暑いからコンビニでずっと涼んでたんだよね」 「あんたねえ、人を待たせてるんだから、さっさと来なさいよ」 「いや~、ごめん。でもかがみなら、ずっと待っててくれると思うから、ついつい寄り道しちゃうんだよね」 「な、何言ってるのよ。まあ、とにかく上がって。冷房入れてるから」 「え、ほんと? やったー」 こなたは颯爽と部屋に向かって駆けていった。 「はぁ、現金な奴ね……」 テーブルを囲んで向かい合うように座る。 しばらくは黙って勉強を続けた。 私は集中してやっていたが、こなたは何度もテーブルに顔をうずめたり、後ろに倒れこんだりしていた。 「かがみんかがみん、宿題終わってるの?」 「え? ええ、終わってるわよ」 「じゃあ、答え写すからちょっと見せて」 「こなた、宿題くらい自分でやりなさいよ。勉強しないといけないとか言ってたのはあんたじゃない」 「でも宿題って、なんか無理矢理やらされてる感があってやる気が出ないんだよね。ゲームでもお使い要素が多いと萎えてくるし、やっぱり自主的にやるのが一番なんだよ」 「まあ、確かにあんたの言うことは分かるけど、もう高三なんだから、屁理屈ばかり言ってやらなかったら、将来後悔するわよ」 「今度からはちゃんとやるから、今日だけ貸してよ~」 「あんたのために言ってあげてるのよ。とにかく、絶対に貸さないからね」 「かがみんのいじわるー。私の頭じゃ全然わかんないんだよぉ。う~~~」 こなたはテーブルに顎を載せてうなり始めた。 それを見てると、自然と笑みがこぼれてくる。 「あー、もう分かったわよ。私が教えてあげるから。でもちゃんと、自分の力で解くのよ」 「ほんと? いやー、かがみんは優しいなー」 こなたはすぐに体を起こして喜んだ。私の言葉で一喜一憂しているのは、見ていてなんだか楽しい。 それにしても、よく恥ずかしげもなく優しいなんて言えるものだ。私には到底無理なことだろう。 「ねえねえかがみ、これはどうすればいいの?」 「どれどれ、ちょっと貸して。あー、これね。これはこうして、ここをこうすれば簡単に解けるわよ」 「おぉ、さすがかがみん。伊達に努力してるわけじゃないねー」 「な、そんなことより早く教えてあげた問題やりなさいよ。自分でやらないと何の意味もないわよ」 「かがみん照れてるねー。さすがツンデレ」 「ああ、もう。馬鹿なこと言ってないでさっさとやりなさい」 そういえば、こなたはツンデレという性格をどう思ってるんだろう。 だらだらと問題を解いているこなたを見ながら、ふとそんな疑問が浮かんできた。 何考えてるんだろ、私は。 変な感覚を打ち払うように、目の前の問題に集中した。 「そういえばさ、最近大学に入る女子が増えてるせいで、結婚する年齢が上がってるらしいね」 「へえ、そういうことは覚えてるのね。……ところでこなた。あんた、結婚する気はあるの?」 「いきなり凄い質問をしてくるね……。 まあ、私は結婚しないというか、出来ないと思うよ」 「なんでそんな自虐ネタに走るのよ。こなたなら、その、結構モテるんじゃないの?」 「あー、よくいるよね。お互いを褒めあって安心する女子って」 「そんなんじゃないって。こなたは本当にモテると思うわよ。コスプレ喫茶でバイトもしてるんでしょ」 「まあ、そういう趣味の人には好かれるかもしれないけどね。それがモテるに直結するわけじゃないよ。それで、かがみんは将来結婚するつもりなの?」 「え? わ、私はそんなつもりないわよ」 「あれ? かがみ、男がいるんじゃなかったっけ?」 「それはあんたの勘違いでしょ。いるわけないじゃない」 「そんなに必死に否定するから怪しまれるんだよ。何か隠してるんじゃないの?」 「な、何も隠してないって。そんな無駄話より、さっさと勉強再開するわよ」 「……は~い」 私には男なんていないし、別に好きな人もいない。でも何故か、こなたに核心をつかれている気がする。 自分で自分がわからない。そんな感じだ。 今こなたは、両手で頭を抱えながら、問題とにらめっこをしている。口をへの字に曲げて、考え込んでいるようだ。 一度ため息をつく。こなたの観察ばかりしすぎだ。集中力が足りない。 脳裏にこなたの言葉が蘇る。 結婚はしない、出来ない、か。それを聞いて私は、残念がったのだろうか。それとも、喜んだのだろうか。分からなかった。 もう、自分で分かるのは手元にある数学の問題だけだ。しかし、今はそれすら手につかない。 こなたが突然四足歩行でテーブルの反対側にいる私のほうに歩いてきた。 「かがみん、これどうやるの?」 「ん? どうしたのよこなた。こっちにこなくても、教えてあげるのに」 「いや~、いちいちかがみに見せて、教えてもらってからやるより、同時にやったほうが早いと思ってね」 こなたがすぐ隣に座る。普通にしていても肌が触れ合いそうな距離だ。ここまで接近したのは初めてかもしれない。 シャーペンを握った手が震えている。こなたに勉強を教えようということに緊張しているのだろう。 どうやって教えたのかは覚えていない。しかし、こなたのノートにはきちんと回答が書かれていた。 「はー、これでようやく宿題が終わったよ。ありがとう、かがみ」 こなたの体が、右へと倒れる。私の膝の上に、こなたの頭が乗った。 「な、こ、こなた。いきなり何するのよ。びっくりするじゃない」 「ちょっと今日は5時までゲームしてたから、眠いんだよね。ちょうど一段落ついたし、一時間くらい経ったら起こしてよ」 「あんたまさか宿題だけして帰るつもりじゃないでしょうね」 返事は来なかった。よっぽど眠かったのだろう、くーくーと小さな寝息を立てている。 しかし、5時まで起きていたということは、こなたは4時間しか寝ていないということになる。 次の日のことくらい、考えておけばいいのに。 でも、眠いのを我慢してきてくれたのかと思うと、少し嬉しくなる。 独りになったのだから勉強に集中しようと思うが、どうしてもこなたのことが気になる。 正座した膝の上にこなたが頭を乗せているのだから、仕方がない。下手に脚を動かせば、落ちて頭を打つかもしれない。 シャーペンをテーブルに置いて、体を後ろに傾けた。両手で体を支える。 こなたは上を向いた姿勢で眠っている。 閉じられた目と、弾力のありそうな頬、柔らかそうな唇。今のこなたは本当に無防備だ。 ……っ、私は何を考えて……。 平常心を取り戻すために、一度深呼吸をする。 こなたはだらしなく両腕を左右に広げていた。今、目の前にはこなたの左手がある。 手を繋いだことはあっただろうか。 無意識のうちに両手がこなたの左手に伸びた。考える時間なんてなかった。 両手で包み込む。ほのかな温かみが手に伝わってくる。 しかし同時に自責の念に駆られる。寝ているこなたの手を触るなんて、どうかしている。 こなたは私を信用して体を預けてきているのに、それを裏切ったのではないだろうか。 でも、自分の気持ちを抑えることが出来ない。心臓が激しく脈打っている。体が火照ってくるのが分かる。 私とこなたの二人だけの空間。そしてこなたは眠りこけている。 触っていた左腕をゆっくりと床に戻す。 ゆっくりと、こなたの髪を撫でた。さらさらとしていて、くすぐったいくらいだ。 しばらくその長くて綺麗な髪を弄っていた。滑らかで、気持ちがいい。 こなたの寝顔を見る。口元は緩み、幸せそうな表情をしていた。つられるように笑みがこぼれる。 なんて言えばいいんだろう。こなたは、本当に可愛い。 震える手を、少しずつ顔に近づける。 人差し指で、優しく頬を押してみた。 ぷにっ 「ん~……」 「あ……」 こなたがそれに驚いたのか少し体を動かした。だが、まだまだ起きる気配はない。 ぽよぽよしていて、見たとおり弾力があった。柔らかい手触りだ。 「うぅぅ……」 こなたは私の指を避けるように、テーブルの方を向いて寝返った。 膝の傾斜で滑り落ちそうになったので、また仰向けになるように手前に寄せて向きを変える。 深呼吸を、ひとつ。 こなたを見下ろす。目は覚めていないようだ。あまりにも気持ちが良くて、我を忘れてしまっていた。 こなたの唇は、今むにゃむにゃと波打っている。 動悸が素早くなるのに合わせて、呼吸も荒くなってくる。 落ち着かせるように、ゆっくりと息を吐き、一気に吸い込んだ。 こなたの唇に、自分の唇を重ねる。 柔らかくて、温かくて、なんだか甘い感じがする。 「ん………」 今、私はこなたとキスをしてるんだ。これが、こなたの唇の感触なんだ。あぁ、こなた、こなた、こなた……。 「ん~、ん」 こなたが少し声を上げた。驚いて目を開ける。 目が合った。 「あ、こ、こ、こなた。お、起きてたの?」 慌てて顔を上げるが、もう手遅れだった。 「かがみ……私にキスしてた?」 「い、いや、その、それは……。ご、ごめんこなた。その、こなた見てたら思わず……。ほんとにごめん」 あー、私こなたに嫌われたかな。寝てる間にキスするなんて、最悪だ。 「……そんなに謝らなくてもいいよ」 「……ごめんね。私って最悪な人間だわ。こなたのことなんて考えずに……」 もうこなたと顔を合わせることも出来なかった。俯いた視線を横にずらす。 いきなり、首に温かい感触がきた。こなたが後ろから抱き付いてる。 すぐ横に、こなたの顔がある。 「大丈夫だよ、かがみ」 「え?」 「私は平気だよ。だから、自分を責めないで」 「どうして? あんなことされたら、普通……」 「私ね。……かがみのこと……、好きだよ」 時が止まったような、そんな気がする。 しばらく、どういう意味か分からなかった。思考がフリーズする。 ゆっくりと、言葉を理解していく。 ああ、そうか。こなたも……。 でも、こなたは私よりずっと正直で、純粋だ。 それに比べて、私はずるいな。 今までずっと、抑え込もうとしていた。隠れたところでこそこそやるだけだった。 ほんの少しだけでも、自分に正直に…… 「ねぇ、こなた」 次の言葉が喉に引っかかって出てこない。早く言えばいいのに、声が出ない。 こなたは何も言わない。ただ、私をきつく抱きしめてくれた。 温かいな……。 「あ、あのね……。私……」 もう一息。私は、こなたが好きだったんだ。 ようやく分かった。今まで自分に嘘をついて、心のどこかにしまいこんでいた気持ちが。 ゆっくりと外に出る。 「私も、こなたのことが、す……、す、す、好き」 ああ。真っ白だ。 「あはは、かがみん顔真っ赤だね」 「な……」 「まあ、かがみは素直じゃないから、すごく言いづらいよね。……ありがとう。嬉しいよ、私。 ……それにしても、口と違って体は正直と言うか」 「そ、それは……」 何も言い返せない。でも、そんなのどうでもよかった。 とにかく、嬉しかった。 「かがみも結構大胆だよね~。奥手かと思って……はむっ!」 こなたに抱きついて、そのまま床に倒れこんだ。 また、こなたにキスをする。 ゆっくりと、こなたの口の中に舌を入れた。 こなたの舌と絡めあう。ゆっくりと、優しく触れていく。 「う……」 唾液と唾液が交じり合う。 これで、こなたと一つになれたような気がする。 こなたは目を瞑って震えている。 それでも、私を受け入れてくれている。 こなた……、ずっと一緒だよ。 何分経っただろうか。時間の感覚が分からなくなっている。 息苦しさを覚えて、唇を離した。 「うぅぅ……。かがみぃ、苦しいよぉ……」 こなたは仰向けのまま動かない。息が荒くなっていた。 「こなた、ごめん。大丈夫だった?」 「なんだか、わけが分かんないよぉ。すごく、変な気持ち……」 こなたの隣で同じように横になる。 両手で抱きしめて、引き寄せる。 「かがみ……?」 「こなた、あのね……」 言いたい事はいっぱいあった。何から言っていけばいいのかも、分からないくらいに。 でも、もう言葉なんて要らないかな。 もう一度、強くこなたを抱きしめる。 こなたも、私をきつく抱きしめてくれる。 わたしとこなたの、二人だけの時間が始まる。 コメントフォーム 名前 コメント GJ! -- 名無しさん (2022-12-15 03 15 56) ↓慣れればかえって一人のが楽だぜ…寂しいことに変わりはないが。 -- 名無しさん (2013-02-15 15 18 38) あああああ、ここにいるみんなにバレてるよ、かがみん -- ぷにゃねこ (2013-02-07 19 07 43) ↓俺がこんなに!? -- 名無しさん (2012-12-21 11 16 52) フラグ来た……!? -- かがみんラブ (2012-09-23 14 42 10) ↓ 本人乙ww ぼっち残念ww -- 名無しさん (2010-09-21 18 53 57) ↓貴様らとは美味い酒が呑めそうだ。 -- 名無しさん (2010-09-16 12 35 15) ↓おまえらもかブルータス -- ちんぽっぽ (2010-09-13 21 24 36) ↓おぉ我が兄弟よ、お互い辛いのぉ -- 春我部 (2010-04-15 01 21 06) ↓泣くな同志よ -- 名無しさん (2010-04-14 15 52 44) 二人だけの時間が始まる、か…。 俺は一人だけの時間が終わって欲しいぜ。 -- 名無しさん (2009-12-05 23 19 22)
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春の陽光、桜舞い散る記憶無き思い出の場所で プッ、プッ、プッ・・・。私―泉こなたは、唇に舞い落ちて来る桜の花弁を息で吹飛ばしていた。うん、まぁ、そんな格好つけた言い方してもしょうがないんだけどね。 今日は、四月なのにとっても暖かくてこうやって桜の木の下で寝転がっているのも悪くない。この桜の下は、お父さんとお母さんの思い出の場所なんだそうだ。私が生まれて、それからほんの少しの間だけれど、私とお母さんとお父さんと三人で、良くここにきて、私はお母さんに抱かれて、お母さんとお父さんは、この桜の木に寄りかかって舞い散る桜を眺めていたらしい。あーでも、写真を見る限りじゃ、お母さんの膝枕で眠っているお父さんしかないから、その辺はちょっと怪しいもんだね。 ま、そうは言っても、今隣にお父さんがいるわけじゃないけどね。隣にいるのはお母さんかな。お母さんが気に入っていて良く被っていた麦藁帽子。白いリボンがくるっと巻いてあって帽子の鍔が大きめなのがちょっと特徴的。もっとも、リボンの色は沢山あって、その中で一番のお気に入りをお父さんに借りてきたんだけどね。 あぁ、お父さんがいないのは、前もって言っておいたのに原稿が間に合わなかったから。今頃、担当さんと一緒にホテルで缶詰してるんだ。まぁ、私にしてみれば、お父さんには悪いけど、その方が都合がいいんだけどね。 にしても、待てど待てど、私の待ち人はやって来てくれない。春一番は冷たいけれど、今日の風は、とても暖かくて優しい。その優しい風が吹くたびに、桜の花弁が舞い落ちる様子は、とても美しいと思う。 でも、一人・・・いや一応お母さんも一緒の気分だけど、いつも私に遅刻するなという貴女はどうして来ない。 そもそも、ここは貴女方、姉妹の小さい頃の遊び場だったらしいのに。迷ったのかなぁ・・・いやーさすがに、かがみが迷うとは思えない。腕時計を見るとまだ約束の時間よりは二十分早い。ようするに、私が早く来過ぎただけなのだ。 いやまぁ、かがみだけ早めに呼び出したのだよ。ここってちょっとしたハイキングみたいな道のりで、あんまり人もいないから、つかさやみゆきさんには桜餅とお弁当を頼んだわけで・・・かがみには悪いけど、つかさのおいしい桜餅が食べたいからね、お弁当も同じでネ。 風が吹けば、桜の匂いと花弁が流れてくる。閉じていた目を開いて、見上げると一体どれだけの月日をここで過ごして来たのか分からない位、立派で大きな桜の木が枝一杯に花を付けていた。 ちょっとしたハイキングというには、ちゃんと理由がある。ここ、山というほどではないけど、高台の上なんだよね。流石に山頂でもないし、十五分も歩けばコンビニだってある。お父さんやお母さんが来ていた頃は、もう少し賑やかだったらしい。 まぁ、お花見のシーズンだしね。それにしても、幾ら綺麗でも一人でボーっと見ているのは流石に飽きてくる。おまけにこの何とも言えぬ柔らかで暖かな陽光の下・・・私は自分の事を悪戯好きの狐だと思っている。つかさは、子犬かな?みゆきさんは、牛だね。かがみは・・・ウサギかな?意地っ張りだけど、寂しがり屋なのに素直じゃない所が可愛いと思うわけでして。今度、そんな話をしてみようかな。かがみはきっと、真っ赤になって否定すると思うけどね。想像しただけで、ツンでデレなダブルコンボのかがみんゴチソウサマです。 かがみ~、かがみ~ん、かがみ様~。心の中で呼んでみるけど変事は無い、当たり前だけどさ。早めに来てくれないかなぁ、かがみと少しでいいから二人きりで居たいから。あ、でも、それならお母さんの帽子を持ってきたのは失敗だったかなぁ・・・娘が女の子とつき合っているなんて、許してくれるかな? かがみと付き合ってからどれ位たったかな?まだ三ヶ月位はたったかも知れない。でも私達は、デートとかそういう事をしてはいない。つかさやみゆきさんを蔑ろにしたくないから。二人は私達のことを受け入れてくれた、凄く感謝してる。 でも、たまに、たまにだけどかがみと二人きりになりたいと欲張ってしまう事がある。かがみもそういう時があるみたい。ふぁ~ぁ~、ん~、かがみが来る前に眠っちゃいそうだなぁ。どうして今日はこんなにも暖かくて、優しい日差しなんだろう。それでも起きていなくちゃ、かがみと二人きりになりたくて企画した休日の過ごし方なんだから。 お花見なんてただの口実。ううん、ただ桜を見て、四人でお弁当や桜餅を食べて、それから喋って・・・そんな何時もの時間。学校のお昼と変わらないかもしれない。桜の花を見ながらだからお花見といえばそうかも知れないけど、たった一本の立派な桜があるだけ。 まぁ、公園なんだけどさ、一応・・・。今時芝生のある公園って結構珍しいかも、というか、これはもしや雑草かな? 「シートくらい引きなさいよ。背中にヤバイモノが付いても着替えないでしょ」 目を再び閉じていた私にそんな言葉をかけてくれるのはたった一人だけ。目を開ければほら、そこには、待ち人がいた。 風が吹き、今日はストレートにして来てもらった、かがみの髪の毛が桜の花弁とともに舞う。それはとても幻想的で、綺麗だった・・・見とれてしまう程に。 「んー?どうしたの、こなた。シートくらい引きましょ。一応場所取りって役目なんだから」 かがみは私の顔を覗き込む。このまま顔を上げたらキスしちゃうかな。そしたら、怒るかな、どうだろ。せっかくのチャンス・・・キスなんて私が告白した時以来してない。どうしようかなぁ、そんな風に考えを巡らせてしまったのが仇になった。かがみは、私の少し横にシートを引いて、桜の幹にもたれ掛かる様にして座ってしまった。 「あんたも、こっちこない?」 「かがみがこっちに来てくれない?」 「あははっ、絶対やだ。何か企んでる顔してるから」 笑いながら、その手には引っかからないわよ、そんな事を言っている。まぁ、かがみがこっちにきたら飛びついてやろうとは思ってたけどさ、それはお互い楽しい事だからいいじゃん? 「でも、髪をリボンで結わないで外出するのは久しぶりだわね」 いやーそれだけ長い髪だと顔に掛かったりしそうなのに、サラサラと顔に掛からずに風に揺られる髪、空気読んでますな。口に出して言ったら、またからかってうんだからって怒るもしれないけど、今日のかがみは桜の花に負けず劣らず綺麗だなぁ。 「なーに?こっち見てニヤニヤして、薄気味悪いわねぇ」 そんな事を言いながら、優しげな微笑を浮かべて私の事を見てるかがみ。言葉に悪意は無いんだ。まぁ、ちょっと無遠慮な言葉だけど、でもそれが私達の距離だから。 「いや~こうやって二人きりになれる時間ってさ、久しぶりだなぁって。・・・まぁ、お母さんのお気に入りの帽子を持ってきちゃったから、お母さんもいるかも知れないけどさ」 「そうねー、四人でいる時間は長いけど、二人ってのは結構久しぶりね・・・。あぁ、でもあんたのお母さんが一緒かもしれないなら二人きりでもないのか」 私は、かがみの言葉を聞きながらゆっくりと起き上がる。相変わらず桜の花は、緩やかな風の中で舞っている。だから少し位、ね? 「こなた?どうしたの」 「いやーこういう時は目を瞑るものだよ、かがみんや」 「な、あんた。ここがどういう・・・」 分かってる。ここは外で人目がある所、幸い今は誰も近くにはいないけれど、もしかしたら誰か見ている人の一人位は居るかもしれない。でも、どうでもよかった。 私は、かがみの言葉が終わる前に唇を塞いだ。今は何だかそういう気分だったから。でも、キスをしているのに目を瞑ってくれないかがみに私は、お母さんの帽子を被せる。鍔が広いからもっとくっ付かなくちゃ行けなくて、かがみも観念したように私の背中に優しく手を当ててくれる。 長いキスだった。特別なキスだったわけじゃない、ただ唇を重ねていただけ。さすがに私も場所はわきまえるからね。それにそういうのは、もうちょっと時間が必要かな・・・。ゆっくりと唇を離すと、かがみは耳まで真っ赤かで、たぶんそれはきっと私も同じ。桜の香りのするキスだったね。 「・・・あんたねぇ、誰かが見てたらどうするのよ、全く」 「そんなの気にしてたらこの先大変だよ~」 「いや、場所位わきまえろと言ってるのよ」 「今は何言っても説得力ないよ~、かがみん。顔真っ赤、あはははっ」 「それはあんたも同じだ!」 私はかがみの膝の上に頭を乗せる。そのまま顔が隠れるようにかがみのお腹の辺りに顔をくっ付けた。 「そんなことしても耳が真っ赤なのは丸見えよ」 「いや~、かがみ程では」 「う、うるさいわね」 二人きりになれても、何時もみたいなやり取りは変わらない。私達は付き合ったからと言って特別に何かが変わったわけではなかった。まぁ、初めての恋人が、かがみなわけだから、変わるものかどうかわからないんだけどさ。いや、どちらかと言えば、あえて二人きりになる時間を減らしたという意味では、変わったのかも知れない。あまり一緒に寄り道しなくなったしさ。するにしてもつかさも一緒とかね。みゆきさんは、場所と距離の関係でなかなか難しいんだけど、それでも笑顔で付き合ってくれたりする。 二人には感謝してる。二人が味方でいてくれなかったら、私達の想いは雨が降った後の桜の花見たいに散ってしまったのだろうから。 それでも、世間の目は単純に怖かった。今のでそういうのが少しでも、吹っ切れればいいと思うけど、そう上手く行く訳じゃない。 心と体はお互い近くにあるのに、それを隔てる壁はあまりにも大きいから。だから、たまに無性にかがみに甘えたくなってしまう。こんなに近いのに、顔を近づければさっきみたいにキスだって出来るのに・・・でも、そんな私達を隔てる壁は、それを遠距離の恋の様に恋しくて寂しくさせてしまう位、大きいんだ。 「かがみの膝枕って気持ちいいね~」 「そう?あんたらしくない素直な感想ね。何かしら一言、憎まれ口が付いてくるかと思ったけど」 だって、さっきから頭撫でてくれてるし、本当に気持ちよくって・・・幸せをかみ締めたまま眠っちゃいたい。そんな事を思っていたからだろうか、私は本当に眠ってしまったんだ。 ◆ 「こなたぁ~?」 こいつ寝やがった。起こそうかと思ったけど、寝顔が可愛くてそのまま寝かせておいてやることにした。まさか、早めに私を呼んだのは丁度良い枕を得るためじゃなかろうな。 「場所取りって言ったって、誰もいないじゃない」 ここは公園のはずだが、子供の姿一つ無い。お花見のシーズンなのに、こんなにも大きくて立派な桜の下でお花見をしようと思う人影も無い。どう考えても場所取りしなくても、絶対に開いてる場所じゃないか?ここは。 それにしても立派な桜よね。うちの近くにこんな立派な桜があったなんて、しらなかったな、正確には余り近いともいえないけど。でも、つかさは良く知ってる場所だって行ってたな。あの子はこんな所までフラフラと遊びに来ていたのか。そういえば、秘密の遊び場はおねえちゃんにも教えてあげないってたまに何処かに出かけていたなぁ。 しかし、どこまでが近所でどこまでが遠方なのかしら。 「全く・・・気持ち良さそうな寝顔して・・・。でも、膝枕ってされてるほうも心地良いって言うけど、してる方も結構心地いいのよね」 だから起こしたくないな。少しだけの幸せな時間を、一秒でも長く感じていたいな、そんな風に思う。誰に呟くわけでもない、聞いているのは風と桜の木だけ、寂しげな独り言ではないんだ。だって、好きな人はここにいるのだから。 「おや、ずいぶん久方ぶりだねぇ」 「えっ?」 一人の老婆に急に声をかけられたので、私は素っ頓狂な声を上げた。ちょっと悲鳴に近かったかも知れないが、そんな私の声を聞いてもこなたは全く起きる様子を見せない。 「風の噂じゃぁ、亡くなったと聞いとったが・・・やっぱり、風の噂は頼りにならんのぅ」 老婆は一人、話を進めていく。私には誰の事だかわからなかった。 「あの、たぶん人違いだと思います・・・」 遠慮がちにそう言うと、老婆は、悲しそうな目で私を見ていた。 「そうかい。そういえば、髪の色も違うし、あの子どもの様な旦那さんもいないのぅ。そうかい、勘違いだったかい、それはすまなかったねぇ」 「あの、誰の事なんですか?」 「さぁ、名前は知らんが、随分前には、あんたの膝の上で眠っている子の様な感じの髪の色をした夫婦が、小さい赤ん坊を連れて、毎年花見に来てたんでね。でもなぁ、ある年を境に来なくなって、風の噂で奥さんが亡くなったと聞いたんだけど、やっぱりそうなんだねぇ。その帽子とあの時の赤ん坊の子にその子が良く似ていたから見間違ってしまったみたいだねぇ」 もしかして、それはこなたの母親のかなたさんと父親のそうじろうさんなのでは無いだろうか。いや、違うかな・・・まぁ、私には確かめる術がない。知っているとすれば、この桜の木だろうか。 「しかし、最近は若く見えるんだねぇ。それはあんたの子どもさんかい?小学生位かねぇ」 いやいやいや、違いますから。私はまだ子どもなんて・・・それにここで眠っているのは恋人で、なんて言えるわけも無く、友人というのもどこか切なかったので、私は、その言葉には、曖昧に笑い返すことしか出来なかった。 「あんたは、体は丈夫な方かい?」 「えっ、あ、はい。割と」 「そうかい、そうかい。風の噂の通りだとしたら、あの赤ん坊の子は母親の事を余り知らないだろうから・・・あんたは、その子の傍にずっと居られるといいねぇ」 その言葉には何故かすっと、言葉がでた。 「はい、ずっと傍に居られる様にしていきたいですね~」 私の言葉にニコリと微笑むと老婆は行ってしまった。風が舞って桜の花が一瞬視界を隠した後にはもう、老婆の背中は見えなかった。誰だったんだろうか、こなたなら知ってるかな、それともそれを知っているのはもう、この桜だけなのかも。そんな事を思っていると、 「ずっと傍に居てくれるの?」 何時から起きてたのか、こなたがそう呟いた。 「あんたが望むならね」 「そりゃ望むさ、もう力一杯ね~」 「じゃぁ、傍に居られるかもしれないわね」 私の言葉にこなたは満足した様子で、体を起こした。が、やっぱり名残惜しかったのか、すぐに膝の上に戻ってきた。 「まさか、お父さんとお母さんを知ってる人が居たなんてね~」 膝の上にぐりぐりと猫のように頭を擦り付けながらこなたが呟いた。 「あんた、何時から起きてたんだ・・・起きてたんなら、少し位助け舟を出してくれてもいいじゃない」 そんなこなたの頭を撫でる。本当に子どもみたいな事をするな。だから子ども扱いしてやろう。母親が子どもをあやす様に頭を優しく撫でると、それはそれで、嬉しいらしく、こなたは気持ち良さそうな表情を浮かべていた。 「んー、途中からだけど。私もあの人の事は知らないな。たぶんお父さんも知らないと思うよ、お花見に来て、お弁当食べたらお母さんの膝の上で寝てたって言ってたし」 「それでいいのか、泉家・・・」 「だから、あの人の事を知ってるのは、この桜とお母さんだけだね。どっちにも聞けないけどさ」 こなたが、ほんの少し憂いに満ちた表情で桜の木を見上げていた。だからだろうか、私は余計な事を言ってしまう。 「そう。まぁ、あんたのお母さんに私達の事がばれたらきっと、私は嫌われるわよね」 世間に認められない恋だもの、きっと嫌がると思う。 「どうだろうねぇ、でも、お母さんならたぶん納得してくれたと思うよ」 こなたの言葉に呼応するかのように風がざぁっと強く吹いて一面桜の花が舞う。私はその隙に最初のお返しだといわんばかりに膝の上に寝転がっていたこなたの顔を上に向けて、軽くその唇を奪った。 「・・・かがみって大胆になったね」 こなたが真っ赤になってまた私の膝に顔をうずめる、今度は勝ったな。 「誰かさんのおかげでね」 そう、自分でも驚くほど優しげな声で呟いた。きっと今の笑顔も柔らかいものになっているだろう。 私達はずっと傍にいる。そこに大きくて頑丈な壁があったとしても、傍に居続ければ、その壁だって氷が水になって溶けてしまう様に、いずれは溶けてなくなる事を信じて。 桜の花が、私達の上に舞い落ちて来る。気持ちの良い風と桜の甘い匂い。 それは、この桜の木が、ずっと傍に居られる様にと、私達を祝福してくれている様だった。何よりも綺麗で、そして嬉しい気分にさせてくれた。 その気持ちはこなたも同じようだった。こなたが私の肩と桜の木に体を預ける。私も、少し離していた体を桜の木に預ける。 そして、手を繋いで片手を胸に当てて祈る。ずっと傍に居られますようにと。 まるで子どもがするおまじない。けれど、この桜の木の下ならそんな稚拙なおまじないも意味があるように感じて、胸が熱くなる。 おまじないの終わりにどちらからともなく、ほんの一瞬、短い、三度目の・・・キスをした。 「お、お姉ちゃんにこなちゃん!?だ、大胆だね」 「ふふふっ。あらあら、ちょっと来るのが早すぎましたね、つかささん」 この二人に見られたのは果たして偶然なのか、それともこのおまじないの見届け人に桜の木が選んだのかはわからなかった。 不思議と私もこなたも赤くはならなかった。ただ、お互い優しげな表情で微笑んだだけで、だから余計につかさが真っ赤になってしまって、せっかく持ってきた桜餅の入った重箱を持ったまま、ひっくり返えりそうになって、それをみゆきに受け止められる。 そして、誰からとも無く笑いあう、とても幸せなもう一つの時間。 私達はもう一つ願う。四人がずっと傍にいられるようにと。 それは、ずっと一緒という意味じゃなくて、心がずっと一緒にありますようにという意味で。 それに答えて応援してくれる様に桜の木が花弁を数枚、私達の上に零した。 コメントフォーム 名前 コメント 優しいなぁ…。 なんだか良いですね。 -- 名無しさん (2010-07-08 20 27 33) ほのぼのしてていいです -- 名無しさん (2010-06-01 17 25 35) 照れくさそうだけど誇らしげなこな&かがとそれを優しく暖かく包むようなみゆきさんとつかさ… 舞い散る桜吹雪の中のほのぼのとしたシーンが目に浮かぶようです。 -- こなかがは正義ッ! (2009-03-19 01 39 45) 最後のシーンが目に浮かぶようです。GJ -- 名無しさん (2009-03-19 01 02 38) 投票ボタン(web拍手の感覚でご利用ください。コンペでの得票とは関係がありません)
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小ネタ『ビビッと来ました』 パチッ! 「痛っ!」 「つかささん、静電気ですか?」 「そうなの、ゆきちゃん。 私、静電気が溜まりやすい体質みたいで……」 「昔からそうなのよね、つかさは」 「えへへ……」 「実は私もそうなのだよ~」 「こなちゃんも?」 「かがみ、試しに触ってみてよ」 「やあよ、そう言って私に電気が流れたりとか……」 バリバリバリバリ! 『ひあう!?』 「だ、大丈夫、こなちゃん!?」 「かがみさん、大丈夫ですか!?」 『…………』 「良かった、大丈夫そうだね~」 「心配しましたよ、お二人共」 『私達、結婚するから』 『ええええええぇぇぇぇぇぇ!?』 「いや、かがみは私の嫁だし」 「これはもう、こなたと結婚せざるを得ないわね」 「お、お姉ちゃん達、変になってるよ!?」 「変じゃないよ、これは一万年と二千年前から決まっていた事だよ?」 「それに、一億と二千年後も愛してるしね」 「泉さん、かがみさん、正気に戻って下さい!」 「私達は正気だよ。 正気だから今からハネムーンの予約するんだ」 「挙式だったらうちの神社で挙げてもいいのよ、こなた?」 「おお、かがみ! ナイスアイディア!」 『…………』 「ゆきちゃん……」 「触りません」 コメントフォーム 名前 コメント GJ!!笑 -- 名無しさん (2023-01-05 15 03 11) !!?(*1)))))) -- 名無しさん (2014-05-14 21 05 54) 何コレw -- 名無しさん (2013-05-03 10 26 37) これはいい静電気 -- 名無しさん (2009-11-20 02 50 36)
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残暑も収まってきたある秋の日。 私はこなたに一つの提案をした。 「勉強会?」 「そう。いい加減あんたも本腰入れないと危ないわよ。わかってる? 本当は今からだって遅すぎるんだから」 「わかってはいるつもりなんだけどね」 「それじゃダメなのよ。忘れたの?あんた、自分でなんて言ったのか」 「覚えてるよ。忘れるわけないじゃん」 いくらなんでも『あのこと』を忘れてるわけがないか。 もしも忘れていたら、さすがに私でも怒るかもしれない。 高校最後の夏休みが明けたばかりの9月。こなたはこんなことを言った。 ―――私、かがみと同じ大学に行く――― そう言っていた。でも、今現在のこなたの成績では、 私と同じ大学に入ることは正直難しい。たとえ学部が違うとはいってもだ。 だから私は、この勉強会の提案をした。 理由は簡単なことだ。自分の…その、なんだ。 カノジョが自分と同じところに行きたいと言ってくれたことが素直に嬉しくて、 私自身、もっとこいつと一緒にいたいから。できることなら、この先ずっと…。 「それなら結構。明日からあんたの家行くからね」 「ん…わかった。待ってるね」 「覚悟しておきなさいよ。今回ばかりはスパルタでいくからね」 ************** 翌日。 「さて、始める前に一つだけ」 「どうしたの?」 「今日は、私の言うことに絶対に従ってもらうわ。いいわね」 「うん、いいよ。かがみの言うことだもん。ちゃんと守るよ」 「言ったわね。しっかり聞いたからね」 勉強会を始めてしばらくは、こなたも集中してやっていたのだが、 だんだんと集中力が切れてきたのか…。 ―――かがみ。 ―――ねえ、かがみ。 ―――あのさ、かがみ。 本音を言うのであれば、私だって勉強ばかりしていないで、 もっとこなたといろいろなことを話していたい、いろいろなことをしていたい。 でも、今日の勉強会は「こなたとの今」ではなく、 「こなたとの未来」のために開いたものだ。 だから私は、今日この日だけは、容赦なくやろうと思う。 「こなた」 「そろそろ休憩?」 「そんなわけないでしょ。まだ全然進んでないのに」 「だってわかんないんだもん…」 「わからないところは教えてあげるから。 だから、終わるまで休憩はなし。この部屋からも出さないわよ」 「ええ!?それはひどいよ…」 「これもあんたのためよ。私と同じ大学に行ってくれるんでしょ?」 「そうだけど…」 「じゃあ、考え方を変えてみて。自分のためじゃなくて、私のためにがんばって。 そうすれば、このくらいはやれるはずよ」 「自分じゃなくて、かがみのために…」 「私だって、こなたと一緒に同じ大学…通いたいんだからね」 「かがみ…私、がんばるよ」 「その意気よ」 そしてまた集中し始めたこなた。 仮にも進学校である稜桜に受かっているのだ。 しっかり集中してやれば、絶対にいい結果が出るはずだ。 「かがみ、ここって…?」 「ここはね…」 「なるほど」 「やっぱり飲み込みはいいのよね、あんた」 「かがみの教え方が上手なんだよ」 やればできるのに、なんで普段はあんななんだか…疑問で仕方ない。 順調に進んでいってる、再開してしばらく経ったころ。 どうも、こなたの様子がおかしい。というか妙に落ち着きがない。 「こなた?どうかした?」 「…なんでもない」 「なら、いいんだけど」 その時はそう言っていたけど、時間が経つにつれ、 ますます落ち着きがなくなってきた。そのうえ、妙に顔が赤くなってきたような…。 ―――こんなこなたも可愛いわね――― そんなことを思っていたら。 「かがみ…あのさ」 「んー?」 「あの、ちょっと…」 「どうしたのよ?」 「いや、だからね…トイレ…行ってきていい?」 そういうことか。なら、これまでの様子も納得できる。 さて、どうするか―――よし。 「どこまで進んだの?」 「えっと、ここまで」 「まだまだね…なら、終わるまで我慢しなさい」 「え!?」 「さっきも言ったでしょ。終わるまでここから出さないって」 「かがみの鬼…」 「何とでも言いなさい。 今日は私の言うことに従ってもらう。 それにこなたも了承したはずよね?」 「そうは言ったけど…」 「なら、我慢しなさい」 「わかったよ…やってやるさ!」 それからのこなたは正直、凄かった。 今までのペースが嘘かのような勢いで問題を解いていく。 そうして2時間弱。 「終わったー!」 「お疲れ様、いつもこのくらいのペースならいいんだけどね」 「それはともかく、いってくる!」 そして席を立つこなた。しかしまだ行かせるわけにはいかない。 まだやることが残っている。 「待ちなさい」 「何…?ちゃんと終わらせたよ?」 「そうね。けどまだ答え合わせ、してないでしょ」 「そんなの戻ってきてからでいいじゃん…」 「…こなた」 「う…わかったよ。でも、できるだけ早くしてね」 「わかってるわ」 一瞬、真っ赤になりながらもじもじとしているこなたをもっと見ていたいと思ったが、 これ以上引き伸ばしちゃ、さすがに可哀想だからね さて、結果はどうかな…。 ****** 「はい、おっけー」 「もちろん!それじゃ…」 「待って」 急いで立ち上げるこなたを再度呼び止める。 まだ、やり残したことがある。 「まだあるの?」 「ええ、でも何かさせるわけじゃないから安心して。 これはちゃんと言ったことを守れたご褒美」 「…できれば急いでほしいんだけど。いい加減限界が…」 「すぐ済むわ」 そうして、こなたの頬に手を添える。 そして―――。 「こなた、がんばったわね」 「かがみ?…んっ…」 ―――キスをした。 あんなこなたを見てたら我慢ができなくなった、というのも本音。 がんばってたやり遂げたこなたに、ご褒美をあげたくなったのも本音。 そっと舌先で唇を突付くと、応えるようにこなたの舌が私のそれに触れてくれた。 そのまま舌を絡めあい、互いの口内を行き来し続ける。 「かが…み…っ…」 「…んっ…ふぁ…」 ―――どれくらいそうしていたのだろう。 実際はいかほども経ってはいないのだろうが、どちらからともなく、体を離す。 私たちを繋ぐ銀色に輝く細い糸が伸び、そして消えた。 「…はぁっ…ご馳走様、こなた」 「…あっ…」 「こなた?」 腰が抜けてしまったのか、こなたがぺたんと座り込んでしまった。 それと同時に先ほどまでとは、少し違う感じに真っ赤になっていく。 「どうしたのよ?」 「……った」 はっきりは聞き取れなかったが、さっきまでのこなたの状況と、 今の状況を考えてみると、一つの予想が浮かんだ。 「まさか…やっちゃった?」 「そのまさかだよ…かがみの…ばか!」 そしてこなたは、部屋を出て行ってしまった…。 そりゃ怒るわよね…失敗しちゃったな。 ********* シャワーを浴びて戻ってきたこなたは、拗ねた子供のように頬を膨らませていた。 謝らなきゃ…結果的にとはいえ、怒らせるようなことをしちゃったんだし…。 「こなた、ごめんね…」 「……」 「もうあんなこと言わないから、だから」 「……たら」 「え?」 「もう一度、キスしてくれたら、許してあげる」 「…わかった」 今度は、キスだけでは済みそうにない気がした。 済ますつもりもないけどね。 だって、今日という時間は、まだまだ残っているんだから―――。 コメントフォーム 名前 コメント GJ!!(^_-)b -- 名無しさん (2023-05-12 10 44 09) こなたカワイイ! かがみのSっけがなんかいい(*´∇`*) -- ハルヒ@ (2008-07-24 08 47 59)
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あの子は一人ぼっちだった。 まるで他人を受け入れないかのような様相をしていて。 まるで一人でいる事が当然かのような振る舞いをする。 眼は、冷たく。 まるで他者の全てを拒絶するかのような目をして‥。 ――どうして、そんなに悲しそうな眼をしてるの‥? 私には、 なんだかそれがとても寂しそうなものに見えたんだ..... …『夢と幻を越えて』… 静かな静寂‥。 家族の寝静まった夜に、こっそりと明かりが灯る。 立ち込める甘い匂い。錯乱するボウルやら泡立て器。 深夜の台所で一人、慣れない事を始める。 私には、妹みたいな器用さはない。 同じように作っているのに同じように出来やしない。 上手くいかない型取り。上手く冷えない固まり方。 ようやく綺麗に仕上がったと思っても、口に入れてみると味がイマイチだったり。 ‥私はどうしてこんなに不器用なんだろう? この手も、この心も…素直になれないでいる。 自分の気持ちを正直に渡せないから、妹のチョコレートに便乗して。 …妹が作ってたから、私も作っただけという言い訳を用意して…‥ 何度目か解らない冷やしてる間の時の間。 型取った物が冷蔵庫の中で固まるのを静かに待つ。 時計の針が、カチ、カチ、と規則的なリズムを作り、静寂の中に響き渡る‥‥ 全てが暗く寝静まった台所で一人、椅子に座りながら物思いに深く耽る。 ――『ねぇ、かがみ。ずっと一緒にいてくれる‥?』 あの言葉には、どれくらいの意味があったのだろう? こなた、大丈夫だよ‥。私は何処にも行かないよ‥。 何度目かの失敗の後、 それは、ようやく綺麗に出来ていた‥。 ‐‐‐‐‐ 朝の陽差しが眩しい。 青く澄み渡る大空に、真っ直ぐ射し込むような太陽の直線光。 寒波は未だ消えず、コートを脱ぐ季節には早い。 凍える空気が吐息を白くする。 眩しさに溶け込んで息が霞んで見えてる。 吐息は、そして消えて行く‥。 ――私は、一人の女の子を見付けた。 でもその子は、誰も寄せ付けない眼をしていた。 そこから・・・私は・・・ ――何をしたんだっけ・・? 「かっがみーん♪」 「のわっ!!」 急に抱き付いて来た親友に、私の身体は大きく反り返る。 同時に迫り来る、甘い匂いと…暖かい感触の温もり。 私たちの朝。いつもの通学路のやり取り。 「かがみん、おはよ~♪」 「まったく、いきなり飛び付かないでよ‥」 こなたの顔が綻んでいた。 白く小さな吐息を出しながら、小さな身体で私に構ってきていた。 朝日が眩しく、空が澄んでいる中で、私達は戯れている。 青空に、私達の笑い声が弾み上げている... 「でね、その女の子がね………」 「まったく、あんたはアニメの話ばかり……」 あの日から――約束を交わした日から…コイツは私にとても懐くようになった。 私の教科書を借りに来たり、帰り道を一緒に合わせようとしたり、、。 いつも私の傍にいるようになり、私といる時間を作ろうとしていた。 『寂しいんだったら、いつでも甘えて来ていい』 『私が傍にいてあげるから――‥‥』 そう言ったから。 こなたは、本当は寂しい想いを隠してるんじゃないかと、私は思ったから。 私達は、特別な約束を交わして、世界で1番の親友だと誓っていた。 ‥だけど、本当はもっと違う思いもあったのかもしれない。 私は素直に自分の気持ちを表せなかった。 今だって、抱き付くこなたの腕を振り解こうとしている。 嬉しい癖に、口では仕方ないといった事ばかり言っている。 やれやれ、といった態度ばかり取っている‥。 ‐‐‐‐‐‐ 「ハッピーバレンタイン、こなちゃん!はいコレ♪」 異様な程に作り込まれたハート型のチョコがこなたの手に受け取られていく。 つかさの凝り性は天下一品で、市販の物なんかより遥かに出来がいい。 ラッピングだけで心が暖まるような、そんな仕上がりになっている。 「つかさ…義理でも男の子にはあげない方がいい。絶対勘違いされるから!」 全く同意見だ。見ただけで心が篭ってるのがわかる。 きっと中身も…私のなんかよりずっと美味しく作っているのだろう。 やっぱり駄目だ、私には・・・・ 「とりあえず、ハイこれ」 タイミングは今しか無かった。 つかさのついでだと、言い訳できるタイミング。 今この瞬間を逃すと渡せる勇気はもう無いだろう。。 「かがみが!?私にチョコぉ!?」 私が見せたのは、形も悪く、バラバラになっているチョコだった。 ラッピングも適当だった……… それでも、目を輝かせて嬉しさを表現するこなた。 「つかさがやってたから、ついでに作っただけよ」 言い訳は完璧だった。 そう…それが私の限界だった。 …そのチョコは、ついでに作ったものだ。 本当に時間を掛けたハート型のチョコは、鞄の中に眠っている…。 ――こんなに、つかさが渡せる雰囲気を作ってくれているのに… ――私はそれでも、渡す事が出来なかった… …… 「お~~~……」 私のチョコをまじまじと見つめるこなた。 一体何を考えているのだろう‥? 『柊が作ってくれたってのが大事なんじゃないか』 『バ、バカ…だからそんなんじゃないってば』 「・・とかいうのは無いの?」 「ねーよ。いいから黙ってしまえって!」 ……あるわけないでしょ、このバカ。 ‐‐‐‐‐‐‐ 夕焼けが赤く溶けた空に、綿飴の雲が浮かぶ。 いつもの帰り道、長い影が2人の足元から伸びている。 遠くで踏切の音が聞こえ、慣れた音を響かせていた。 ――こなたの声が聞こえる。 「かがみ~!今日の宿題写させてー!!」 「少しは自分でやりなさいよ!まったく、もぅ…」 空が澄んでいた。 黒い何かが襲うように、空を包み込んでいた。 夕日が精一杯の抵抗をしていて、赤く染まる空を作っていた。 それがいつか終わる色だとしても、私の眼にはこの瞬間を焼き付けているだろう。 「私はね~‥…」 「はいはい、またあんたの事だから‥…」 遠くで車の走る音も、遠くの電車の音も、全てが夕焼けに溶けていく。 隣のコイツが、夕日に溶け込む中で笑いかける。 ――何か、とても懐かしい…。 私は、あんたがいて本当に良かった。 つまらない日常を輝かせる太陽のような存在。 この学校に来て、あなたと出会わなければ…私は‥‥ 「ねぇ、こなた」 「なにカナ~?」 ‥コイツはオタクで、不真面目で、勉強嫌いで… 宿題もやらなければ授業もノートに写さないでいる。 ゲームを沢山やりたいのならば、もっと別の高校でも良かったはずなのに…‥ 「あんたは、さ・・・なんでこの学校に来たの‥?」 少しだけ、緊張が私の身体を走り抜けていた。 一瞬だけ景色が止まったような感覚に襲われる。 吹き来る風が止み、聞こえていた雑音が、遠くなる.... 「…‥かがみに会うためだよ~?」 コイツは、そう言った。 そう、小さく微笑みながら。 …同じ質問を、昔に尋ねた事がある。 入学して間もない頃に聞いた答えも、そうだった。 コイツがこんな進学校に来る理由なんて何一つ無かったのに。 本当は、どんな理由で…… 「かっがみーん?もう別れ道だよ?」 「うん、あのね…こなた‥」 ――どうして私は素直になれないんだろう。 「また、明日ね!」 「うん、またね~!かがみん♪」 ‥‥‥。 ――私は結局、あのチョコを渡せないでいた‥‥。 ‐‐‐‐‐‐ ‥寂しかった。 一人で帰る道は、虚ろな物しか映らせない。 全ての景色が無になったように、何も感じない。 こんな事、前にもあったかもしれない・・・・ 私は忘れている、何かを。 でもそれが何なのか、わからないでいる。 沈みゆく太陽の光が、私に最後の夕焼けを映し出す。 氷のような大気が、やがて空を支配するだろう。 凍える冬風に紺色のコートを身に纏い、それを防ぐための着こなしをする。 ‥私は、家に帰らない。 アイツの元に、向かう。 恥ずかしくても何でもいい。 このチョコを、受け取って貰おう。 ――深い意味なんてなくていい。 ――ただ、私が寂しいから。 ――受け取ってくれないと、私が壊れちゃいそうだから‥…… ..... 「こなたなら、まだ帰って来てないよ」 こなたのお父さんが玄関で呟く。 「そう…ですか‥‥」 私はそれを聞いて、肩を落とした。 暗闇の星空の下で、玄関から零れる光が微かに広がっていた。 どこの家も、明るさを灯していて、家族で賑わっている。 こなたは、この暖かい家の中にいるはずだった。 外の寒い空気から逃げて、ここに辿り着いているはずだった。 ――あなたの帰る場所は、何処なの・・? 「かがみちゃん」 明るい玄関から、そうじろうさんが言葉を紡いでいく。 それはとても大事な事のような話、あるいは意味のある話。 私は、それを一言も逃さないように聞き耳を立てる。 「こなたは…かがみちゃんの事をずっと待っていた」 穏やかな声で、諭すように。 そうじろうさんの話は、 よくわからなかったけれど・・・ 「今もきっと、待っている…。 だから、探して来てくれないか‥?」 でも私は、ただ「ハイ」と答えるだけだった‥。 ‐‐‐‐‐‐ 探していた。 夜の街に、彩るネオンの灯り…そして笑い声を上げる人々。 真っ暗な世界に街の電気が溢れ、飲食店が賑わいを見せている。 信号が青く点灯すると、昼間とは違う人々が横断している。 逢いたい人は幻のような遠い、途方も無い彼方にいるような気がした。 ――こなた、あんたは何処にいるの…? 一緒に連れていかれた場所を思い出す。 アニメショップ、ゲーマーズ、ゲームセンター… 2人で来た場所に、順を追って探し始める。 煌めく街を駆け抜けて、人々の喧騒を掻き分けて…。 ……こなた、お願いだから――私の前に現れて… 思い当たる場所を手当たり次第探し、逢いたい人を探す。 想う気持ちが、この街を巡り馳せていく。 私の身体が、走り抜けていく――。 …‥遠い昔にも、同じような事をしていたような気がする。 こうやって、誰かを探すのはたぶん初めてじゃないのだろう。 あの時はアテも何も無かったけれど・・・。 アテといえば…… 「もしかして…」 私は財布に取り付けたキーホルダーを見る。 たとえ世界が崩壊しようとも、離れ離れにならないように… そんな想いが込められた、大切なキーホルダー... もしかして・・・ アイツは、あの場所にいるのかもしれない。 ‐‐‐‐‐‐ 空は黒く、街の灯りが遠く離れた世界に感じた。 公園には、誰もいない。 この前は、雪が積もり広がっていた。 だから夜でも白く染まっていて、視界はぼんやりとしていたけれど‥‥ 今は、どうしようもないくらい暗闇が深い。 街灯だけが規則的に光を並び、道を誘う標となっていた。 小さな灯りの導かれるがままに歩みを委ねていく。 その先に、アイツがいると信じて――‥‥‥ 冷たく、凍てつくような大気が夜空に澄んで透き通っていた。 ざわめく木々が身の毛をよだらせ、静けさを余計に感じさせる。 肌寒く、物悲しい静寂が辺りを支配している。 灯りの導く先には、小さな光が溢れていた。 そして浮かび上がる小さなシルエットの影。 それは……私の逢いたい人の姿形をしていた... こなたが、いた。 噴水の光に背を向けて、座っていた。 まるでこの世界に独りぼっちでいるかのように… まるで、全てを虚ろに見るような冷たい眼をしていて――…‥‥ こなたの、隠していた悲しみを垣間見た気がした…。 「かがみ…?」 こなたが、私に気付く。 信じられない、といった表情をして。 「あは…‥私は夢でも見ているのカナ‥」 私を見て、こなたが呟く。 …何よ、なんであんたはこんな場所で独りぼっちでいるのよ。 「夢じゃないわよ‥!」 …許せなかった。 私達は親友だと、誓っていたのに。 目の前に寂しそうにしているこなたがいる事に。 「だったら、幻でも見てるのカナ‥?」 「幻なんかじゃ、ないわよっ・・!」 こなたの元へ駆け寄る。 小さな体を抱きしめる。 その姿が、何処かへ消えてしまわないように…。 「かがみ…! 私、私は…かがみに凄く会いたかった…!! そしたら、かがみが現れてくれた…。 奇跡でも起きたのカナ‥」 「ばかっ…何が奇跡よ‥‥」 ぎゅう、と体を包み込む。 あなたは、一人ぼっちじゃないと伝えるために。 この寒い世界から、あなたを守るように‥。 ‐‐‐‐‐‐‐ 夜空には星が輝いていた。 月が小さな円を描き、彼方に浮かんでいる。 「あんたの家に行っても、帰って来てないから…そうじろうさんに頼まれたのよ」 冷たい風が吹いていた。 まだ春には遠く、凍てつく大気が肌を震わせる。 「そっかー、それで此処まで捜してくれたんだね‥」 こなたの身体は酷く冷えていた。 いつもはもっと暖炉のように温かい身体をしている。 それが今は、とても冷たく落ち着いてしまっている…。 「バカね……親友なんだから、捜すのは当たり前じゃない」 手を取って、はぁ…と息を吹き掛けた。 こなたの顔が少し紅くなって、とても可愛かった。 「バカね…こんなに冷たくしちゃって‥」 氷のように近付いた体温の手を暖める。 小さな手が、感覚を取り戻せるように。 私の両手で包み、手の平の熱を分け与える。 「…かがみは、やっぱり優しいね」 顔を赤らめたこなたが、そう言った。 私もそれに連られて、頬に紅い色が染まり浮き出る。 …今なら言えるだろう。もう恥ずかしいものは無い。 「あのね、コレ…作ったのよ」 ハート型のチョコを鞄から取り出す。 『こなたへ』とデコレーションしてあるチョコレート。 私が時間を掛けて作ったチョコレートだ。 「つかさが作っていたから…私もハート型で作ってみたのよ」 …恥ずかしかったから渡せなかったけどね、と付け加えて。 「そっか、つかさが…」 こなたは、胸を一杯にしたような笑みを浮かべる。 その瞳には、幸せに満ちた表情が描かれていた。 …渡して良かったと思う。 「‥よく考えたら、私とあんたの間柄で遠慮なんてする必要無かったよね」 その表情を見ていると、恥ずかしがっていたのが馬鹿らしくなってくる。 わざわざ偽物のチョコレートを用意して、街を捜し回って・・・・ 一人で勝手に寂しい思いを募らせて……… 「かがみ、はいコレ」 こなたが私の手に小さな箱を差し出してきた。 『かがみへ』と書かれた紙が添えてある。 中身を推測するには、それは充分すぎる箱だった。 「私もね、作ってたんだけど…恥ずかしくて渡せなかったんだよネ‥」 頬を掻きながら、こなたが言う。 真っ赤に染まりながら照れている様子だった。 私の胸が満たされていく……。 「バカね……そんなの、さっさと渡しなさいよ・・」 『バカ』と、もう一度だけ小さく呟いた。 本当は、寂しかった。 自分だけがチョコを作っているのかと思っていた。 こなたも、私のために作ってくれていた。 それが嬉しくて、溢れて零れてしまいそうになる。 ――本当は、私は・・・ 「食べると太っちゃうかもね」 「ふん、ちょっとぐらい構いやしないわよ!」 胸が溢れるほど、愛おしいと思う。 コイツが傍にいる事が、私にとって特別な事だった。 だけど、私は素直になれない…… 「かがみ…」 「‥何?」 チョコをくれた事に対しても、素直にありがとうと言えない。 いつも私に構ってくれる事も、感謝してるのに気持ちを伝えられない。 この感情も、伝えることは出来ない…… 「踊ろうか?」 こなたがクルッと回る。 まるで猫みたいな身のこなしで。 私の好きな、その愛しい仕草を魅せてくる。 「あんた、踊れるのか?」 噴水が湧き上がる。 色の付いた様々な光を漏らしている。 こなたは、星空を眺めていた。 髪が靡く。 月の光に溶け込むように。 ――雰囲気が、変わった‥? 「私はバイト先でいっつも踊ってるんだよ」 そう云うこなたは、とても綺麗だった。 まるで景色を背景に、自分の存在を魅せるように。 その姿に、私は惹かれていく…。 「ダイエットのためにちょっと運動しようよ」 それは一種の魔法のように見えた。 本当は、もしかして何かの特別な力を使っているんじゃないだろうか。 私がプレゼントしたOVAのアニソンを口ずさみながら、私に手を差し出す。 「まったく…あんたのバイト先とやらを一度見てみたいわね…」 私はその手を、掴んだ‥ ‐‐♪♪‐‐♪♪‐‐♪‐‐♪♪‐‐♪♪‐‐♪‐… …かがみ、私に合わせて。 …こ、こうかな? …うん、そう‥その調子。 …あ、ありがとう‥。 …ホラ、回るよ? …ちょっ、ちょっと‥!! ――私の手を取って、私を導くように踊っている。 ――私達の髪が軌道に乗りながらクルッと舞い廻った。 …くるーり、くるーり。 …はぁ、あんた踊るの上手いんだな‥。 …ふふ、バイト先だとコスプレしながら踊ってるんだよ。 …なんだそりゃ‥。 …かがみも今度、来てみるといいよ。 …そうね、お邪魔じゃないのなら‥。 ――輝く星空に見守られていた。 ――寒い空の下で、私達は踊り続ける。。 ――こなたは、私を見つめて語りかけてくる‥。 …この場所にはね、昔、大きな木が立っていたんだ。 …木? …そう、でもね‥木は消えちゃった。 …………。 …代わりに、この噴水が出来たんだよ? …そう、なんだ‥。 ――その話は、なんだか胸に染みるような話だった。 ――なぜだろう、私はその木を知っている気がする‥。 …噴水の色が変わって、水の勢いが増す。 …それに合わせるように、私達のステップも早くなる。 ‐‐♪♪‐‐♪♪‐‐♪♪♪‐‐♪♪♪‐‐♪♪‐… …あのチョコね‥。 …うん。 …ほんとは、つかさがチョコをくれた時に、私も出そうと思ったんだ。 …そう、なんだ‥。 …つかさは、不思議な子だね。 …そうかもね‥。 …いつか、ちゃんとお礼しなくちゃ。 …お礼、ね‥。 ‐‐‐♪♪♪‐‐♪♪‐‐‐♪♪♪‐‐♪♪‐‐‐… …いつか、さ。 …うん。 …こうやって、みんなで踊れる日が来るといいね。 …また、あんたって奴は‥。 …だって楽しそうジャン? …ふふ、そうかもね‥。 ――こなた、本当はね・・ ――私は、つかさがいなくても、あなたにチョコを作っていたよ。 …放課後にみんなで残ってさ、ワイワイと練習とか。 …いいわね、そういうの‥。 …そうだ、チアガールのコスプレをしようよ! …おい、それはコスプレって言うのか‥? …はっちゃけた音楽を流してさ、大勢の前で踊るの。 …まったく、あんたといると退屈しないわね‥。 ――私は、あなたのお父さんに頼まれていなくても、あなたを捜していた。 ――あなたがいないと聞いた時から、捜そうって決めていた。 ――あなたは、私の大切な人だから・・・・ ‥星空が遠く遥かに無数の点線絵画を描く。 暗闇に包まれた世界に、小さな噴水の輝きがこの場所に溢れている。 まるで私達だけが、この世界にいるような感覚になる。 こなたは、この瞬間を奇跡みたいだと言う。 私は、その言葉を深く胸に刻み込んだ‥。 氷のように…に続く コメントフォーム 名前 コメント (≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-05-03 00 45 52) 凄く心を打たれました! -- 名無しさん (2010-11-15 22 20 55) じんときた…なんだろう、この儚げで温かいようなSSは… -- 名無しさん (2008-11-20 13 26 29) なんて素敵な関係の二人。かがみは昔こなたと会っていたということを思い出せるのかな…氷の結晶のような美しい文章に引き込まれました。 -- 名無しさん (2008-11-14 13 59 24)
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気づけば私は映画館にいた。 いや───正確には映画館にいるような、ただ流されている映像をひたすら見せられている感覚だ。 私という器をもった存在はなく、意識だけしかそこにはない。 …ないはずなのに。 あくまでここにいる“私”は傍観者以外の何者でもないはずなのに、 体感できるはずのない気温や湿度もなんとなくわかってしまう不思議な空間だった。 最初は古ぼけた8ミリフィルムのように、ピンボケた不鮮明な映像から始まったそれは徐々に輪郭を持ち始めた。 * * * 《Interlude:始まり》 時期として例えるなら、秋から冬へ移り変わるときくらいだろうか。 雲も疎らに、高く透き通った空。 それでもどこか乾いた空気を含んでいる蒼は寂寞を覚える。 木枯らしにも似た冷たい風が追い討ちをかけるように、 小さな歩調で進む小さな二人の女の子を追いかけていた。 薄い紫色の髪の毛を持つ幼い二人は、手をしっかりと握り合い、その風から逃げるようにどこかへ向かっていた。 しかし、風に追いつかれてしまったのか──少し後ろを歩いていた比較的短い髪をした少女が立ち止まってしまった。 「かがみぃ…」 若干舌足らずな声が冷たい風に乗って、前を歩いていた少女にも届き、彼女もまた足を止めた。 「おうち、まだつかないの…?」 「つかさ、もうすこし。もうすこしだから…がんばろ」 不安に支配された声に違わず、泣きそうな表情をした髪の毛の短い“つかさ”という少女を 励ます少し長めの髪の“かがみ”という少女。 彼女たちは外見こそは違うけど、心は2人で1つのような存在なのかもしれないと、ふと思った。 現にかがみという少女は、つかさという少女の心を支配した不安が移りつつあるのか、 先程まで明るかった表情を不安へと曇らせていった。 ── きっと彼女たちも私が感じた寂寞に、幼き心を飲まれたんだろう。 頬を撫でる冷気に、どこまでも続く高い蒼に飲まれたんだ。 そうだと、何故か私にはわかってしまった。 そして瞼を閉じたように世界が一度ブラックアウトして、すぐに世界が開けた時には空は橙色へと変化していた。 変化したのは空の色だけでなく、彼女たちを包む外気も先程より冷たいものへとなっていた。 変わらなかったのは、少女2人だけ。 「ひぐっ…おかあさぁん、おとうさぁん、おねえちゃん…ひぐっ」 「つかさぁ、ないたら、ないたら駄目だよぉ」 その場に立ち尽くし、つかさに続きかがみも泣きはじめていた。 2人合わせたところで大きさなんて知れていて。 ただ世界が大きすぎた、それだけが涙の理由だった。 かがみの小さな手から、何かが零れ落ち、地面について割れた。 お遣い先でもらった飴玉。彼女たちの心みたいだった。 夕暮れも終りかけたその時。 大きな影2つと中くらいの影が2つが、2人の元へと走り寄っていくところで再び世界はブラックアウトした。 間際、中くらいの影1つが言った。 その言葉が傍観者である私の心に届いた。 『かがみはお姉ちゃんなんだから、しっかりしなきゃ』 Interlude :変化へ続く コメントフォーム 名前 コメント ( ; ; )b -- 名無しさん (2023-04-03 07 37 44)
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イライラする。 目の前でいやいや文法書の問題を解いているこなたを見て思う。 こいつは何だってこんなにもやる気がないんだろう。 私たちは仮にも受験生だ。 自分で勉強する時間を作るのは難しくても、 勉強する時間を与えられたら一生懸命勉強するべきじゃないのか? 今日だって模試が近いからってせっかく4人で図書室に来たのに、 こんなんじゃみんなで集まった意味がないじゃない。 「ねぇねぇ~、つかさもみゆきさんも帰っちゃったしサ、 勉強なんかやめてどっか遊びに行こぉよ~」 「・・・・・・あんた私がそんな誘いに乗ると思ってるの?」 「う・・・思ってないデス・・・・・・」 「よろしい。さっさと終わらせちゃいなさいよ。 その章が終わるまで本当に帰さないからね。」 「ぅええ!?アレ本気だったの?キビしすぎるよかがみん・・・」 相変わらず勉強しようという意志の見られないこなたにため息を吐く。 こなたが言ったようにつかさとみゆきは先に帰っていて今は2人きりである。 みゆきは用事があるそうで、それこそスラスラ~っとノルマをこなし、 「最後までお付き合いできず申し訳ありません」と言い残して帰っていった。 つかさにはもっと勉強してもらいたいところだったんだけど、 帰りに買い物を頼まれてて、どちらかが早く帰らなくちゃならなかった。 それで、つかさとこなたを残して果たして勉強になるのか不安だったから、 買い物はつかさに任せて私がここに残ったというわけだ。 ・・・・・・それにしても。 こいつは何でこんなに危機感がないのだろう。 こいつは何でこんなに平気そうな顔をしていられるのだろう。 私はこんなに頑張ってるのに。私はこんなに焦ってるのに。 ああ、もうっ!本当にイライラするっ! 受験と共にちらつく”卒業”の2文字。 卒業したら私たちはどうなっちゃうんだろう。 私は法学部を目指してるけど、つかさは調理専門学校だしみゆきは医学部。 こなたにいたってはこんなで、将来のことなんて考えてる気配さえない。 みんなバラバラだ。バラバラになっちゃう。 私はそれが不安で仕方なかった。 とりあえず目の前にある受験という目標にその不安をぶつけていた。 みんな同じものを目指している。その連帯感が不安を少しだけやわらげてくれた。 それに引きかえこなたののん気さときたら呆れるほどだ。 こなたは不安じゃないんだろうか?寂しくないんだろうか? もうすぐ、お別れなのに・・・・・・ 胸にモヤモヤが生まれる。こなたが何を考えてるのかわからない。 鉛筆を鼻の下にのせ「むぅぅ・・・」とうなり声を上げはじめたこなたに話しかける。 「あんたねぇ、少しでも受験生の自覚とかないの? そんなんじゃホントに大学いけなくなっちゃうわよ?」 「うぅ・・・・・・いいモン、大学なんていけなくても・・・・・・」 「ちょっとソレ本気で言ってんじゃないでしょうねぇ? 大学いかないでどーすんのよあんた?」 「ん~、まぁ世に言うNEE・・・ 「はいストップ!馬鹿なこと言ってんじゃないの! おじさんにいつまでも迷惑かけるわけにはいかないでしょ まったく・・・・・・頼むからしっかりしなさいよ・・・」 「むぅぅ・・・そりゃいつまでもってわけにはいかないけど、 1年や2年ならOKしてくれると思うけどなぁ・・・・・・」 部屋で一日中ゲームをするこなたの姿が思い浮かぶ。 なんだか自然すぎて違和感がない。 ――そっか、こなたは私たちと別れても平気なんだ。 ゲームがあれば幸せだから卒業しても寂しくないんだ。 モヤモヤがぐん、と大きくなった。 イライラを巻き込んで一緒に大きくなっていく。 私が黙って俯いているとこなたは何気なく言葉を続けた。 「ところでさ、なんでかがみはそんなに私に勉強させたがるの? 私が大学いけなくてもかがみには関係ないじゃん?」 ・・・・・・”関係ない”。その言葉にカチンときてしまった。 私がこんなに不安なのに。私がこんなに寂しいのに。 こなたは私のことなんて気にも留めてないんだ。 そのことがどうしようもなく心をザワつかせる。 イライラもモヤモヤも一緒くたになって、 何なんだかわからなくなった感情が急膨張して暴れだす。 ダメ、気持ちが抑えられない・・・・・・ 「悪かったわね!どーせ私は関係ないわよ!あんたはいいわよ・・・ どーせあんたは私と会えなくなっても構わないんでしょ!?」 つい大きな声を出してしまった。 感情を吐き出した所為か制御の利かなかった心が落ち着きを取り戻す。 そしてそれと同時に後悔した。こんなの八つ当たりだ。 まわりにも聞かれてしまったようで何人かが好奇の目を向けていた。 突然のことにこなたも驚いている。 「え?え?・・・な、何ソレ?どゆこと?」 「だ、だからあんたの言うとおり、あんたが勉強しようがしまいが 私には全然これっぽちも関係ないって言ってんのよ・・・・・・」 言ってしまった手前もう後には引けない。 羞恥と後悔で顔を赤くしながらそっぽを向いて吐き捨てる。 吐き出したはずのモヤモヤがちくちくと私の胸を責めたてている。 ヤダ、私カッコわるい・・・・・・。涙、出ちゃいそ・・・・・・。 私が顔を見られないように俯いていると、 こなたは場違いなほど間抜けた声で私に聞いてきた。 「いやいや、そーじゃなくてサ、 それでなんでかがみと私が会えないって話になるの?」 こなたの間の抜けた質問にポカンとする。 「え・・・・・・だ、だって卒業してバラバラになっちゃったら 会う理由がなくなっちゃうじゃない」 「なんで?」 「なんでって・・・・・・えと、学校じゃ会わないし、宿題もないし・・・・・・」 「私とかがみが会うのにそんな理由が必要?」 「うっ・・・・・・えと、その・・・・・・」 「かがみは私がそんな理由でかがみと会ってたと思ってたの?」 「え、いや、その・・・・・・。・・・・・・違う、の・・・・・・?」 「うぅ・・・かがみの中の私ってそんな薄情な人間なの・・・? 私たち用がなくてもしょっちゅう電話してるし、 放課後とか休みも一緒に遊びに行ったりするじゃん・・・・・・ 私はかがみと会いたいから会ってるんだよ?」 「・・・・・・。・・・卒業しても、会いたいと思う・・・・・・?」 「まぁ、かがみが迷惑じゃなければネ。 あ、迷惑でも押しかけちゃうカモ♪」 「・・・・・・こなた・・・・・・」 私の中に何か温かいものがじんと流れ込んでくる。 トゲトゲしてた気持ちがうそみたいにまるくなって優しく心を揺らす。 さっきとは違う温かいものが込み上げてくる。 やば、ホントに泣いちゃいそ・・・・・・ たぶん赤くなってる目を見られるのが恥ずかしくて視線を逸らした。 私が何も言えなくなっているとこなたはにんまりと小悪魔の笑みを浮かべた。 まずい。このパターンは・・・・・・ 「あれれぇ~、もしかしてかがみは卒業したら 私と会えなくなっちゃうと思って寂しかったのかなぁ?」 「う、うるさい!そんなんじゃないわよ・・・」 「何がどう違うのかなぁ~?ん?ん~?」 「くっ・・・・・・」 「やっぱり可愛いなぁ~、かがみんは。 心配しなくても大丈夫、私の寄生主第一候補はかがみんだから」 「・・・・・・ちょっと待て、そうすると別の心配をする必要があるんだが・・・」 「気にしない気にしない☆」 なんだか満足そうな顔をしているこなたを見てついつい笑みがこぼれる。 ――そうだ、卒業なんかで私たちの縁は切れたりしないんだ。 そう思うと不思議と嬉しさが湧き上がってくる。 何よりこなたがそう思ってくれていることが嬉しかった。 嬉しい。でもそれがバレるのはなんだか悔しいから言わないことにした。 代わりにこなたには痛い一撃になるだろう一言を言い放った。 「ほぉら、手が止まってるわよ。早くやりなさいっての」 「うぅっ、その話に戻るのは反則だよかがみん・・・・・・」 「うるさいな。大体いきなり穀つぶしに転がりこまれても養えるわけないでしょ せめて自分のことは自分でできるようになりなさい」 「むぅ、キビしいのはかがみじゃなく現実のほうだったか・・・・・・」 「うまいこと言ってないでさっさと手を動かす!」 「ハイ・・・・・・」 しぶしぶ問題にとりかかるこなたを見てもう一度微笑む。 ――あんたがその気なら私だってずっとあんたの側にいてやるんだからね。 覚悟しなさいよ・・・・・・! おわり コメントフォーム 名前 コメント ワイもかがみんに寄生したい -- 名無しさん (2024-02-20 21 47 59) GJ! -- 名無しさん (2022-12-15 03 00 34) さびしんぼかがみん萌え。。。 -- ぷにゃねこ (2013-01-27 18 34 29)
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74 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/08(土) 23 10 14 ID uvfw9SgX なんかここのスレのほうが投下したくなるな。 普段別のとこに投げてるんだけどな。 ……まぁ連載だから無理か。 個人的にこっちのがいい感じだw 75 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/08(土) 23 38 58 ID YUf9THvr ここ自体なんかつかさみたいなスレだからね ふわふわしてるっていうか ☆100%? ナイナイナイ 97 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 05 22 28 ID MGDFEIKE こなたはかがみのキャラソンの存在自体知らなそうだな というか、かがみが教えなさそう てなわけでつかさに期待 102 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 09 55 36 ID lmgOQ4ve 97 こなた「…………(ニマニマ)」 ←5巻P11右側四コマ目参照 かがみ「……な、なによその顔?」 こなた「べぇぇーつにぃぃぃーーー(ニマニマ)」 ☆こなかがホスピタル for 導かれし患者達 108 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 17 09 56 ID WDZQ2OWm 4人の中でもこなかがは、お互いを特別視してるようにしか見えん ただ、こなたは友達としてのあの空気をとても大事に思ってそうだ。 それを壊す真似はしなさそう。 来るとしたらかがみんから。 109 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 17 56 43 ID AnDxe4pk 突然暴走するとかねw 110 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 18 07 22 ID 1gF1W6FJ かがみは一番貞操観念マトモそうだから 「私、こなたが好きなのかも?…でも女の子が女の子を好きになっちゃうなんておかしいよね…」みたいに いつまでもウジウジ悩んでそうだ 112 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 18 19 26 ID gLLUdFxc 108-111 俺はやっと生き別れた俺達に出会えたようだ ずっと理性で留まっていたのに こなたの過剰なスキンシップのせいで、理性だのなんだのいろいろ崩壊 壊れたかがみがこなたに迫~る~♪ ……これ俺の病気(妄想) 医者が匙を投げた 113 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 18 58 33 ID 9/CuK+L0 ライブの話でも修学旅行でもお互いの異変に気づいてるのは こなたとかがみなんだよね つかさはまったく気づかないw 双子なのに 後、両シーンともアニメオリジナルの話なんだよなー アニメでこなかがファンが増えたのもわかるわ 116 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 19 57 38 ID AnDxe4pk このスレでは誰も言ってなかったみたいだが、修学旅行でつかさが鹿に襲われた後にこなたがかがみに煎餅をチラつかせてたのは 「かがみも鹿みたいに私を襲っていいんダヨ~」と言って誘っているように見えたのは俺だけですか? ・・・病気だな・・・うん・・orz 117 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 20 01 57 ID gLLUdFxc 116 取り合えず、俺と一緒の病院に入院しようか 118 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 20 13 12 ID jkUrlOFI 単に煎餅食うか?と誘ってただけだと思ってたが、そういう解釈にまでは至らなんだ 俺はまだ未熟者だな… ちょっとついんころねこ100回読み直してくる 119 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 20 25 35 ID AnDxe4pk 118 いや、そういう意味なんだろうが このスレに染められてそういう風にしか見えなくなってしまったんだ・・・orz スマン・・117の病院に入院しとくわ・・・orz 120 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 20 29 44 ID C5X9P08i 俺も入院するーーーー 121 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 20 36 28 ID QuTX6S1V 光の速度で病棟が満員にw 122 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 20 37 44 ID gLLUdFxc こなたがかがみを鹿に見立てて、餌をあげようとしている ってのが一般人の解釈だろうね。 まぁ、俺は一般人じゃないからそんな解釈しないけどな。 人生損してる感じするし そんなんだから俺の病気は治らない 123 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 20 38 26 ID Ov/BPT+9 118 いや、「かがみ凶暴そうだから、煎餅ちらつかせればあのボス鹿みたいに私を襲ってくれるかなー」って 俺も入院してくる… 124 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 20 45 13 ID GfLsKAQT その「病気」が治る可能性のあるやつは、このスレに来ちゃいけないだろ。 だから、お前らは「正解」なんだよ!!! 125 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 20 45 51 ID nAlqOJTa よく言った 127 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 20 55 25 ID mRNtoKZ0 病棟「【らき☆すた】こなた×かがみPart2【こなかが】」 128 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 20 57 18 ID C5X9P08i 127 ワロスwww ☆ 160 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 23 10 17 ID hDT6H1OS アニメの残りの話で、原作1巻の こなたの百合趣味は無い発言が出ないことを祈る 161 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 23 11 41 ID Ov/BPT+9 心配しなくても角川は百合推進派だから アニメはそっち方向を貫かせるだろうよ 162 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 23 15 53 ID mRNtoKZ0 こういうのは頭の中でイメージ画が造形出来るのに 具現化できないのが悔しいっ・・・ビクンビクン 163 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 23 18 00 ID MGDFEIKE 百合好きだけど、むしろこのタイミングでそのネタやってほしい気がしないでもない なんだろう、ドMかな 164 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 23 19 44 ID nAlqOJTa むしろそのネタやるとしたら何かしらのフォローが入りそうな気がする 165 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 23 31 00 ID C5X9P08i あと30分なんだぜ 166 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 23 38 08 ID flzKyORf 百合趣味はなくてもかがみが好きなら問題無い 167 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 23 53 00 ID mRNtoKZ0 こなかがは百合だの友情だの言うけど そういうのも全部ひっくるめて言えることは お互いのことが好きってことだよな 168 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/10(月) 00 13 50 ID XjOtAzLZ 何を今更w ☆ 206 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2007/09/10(月) 06 03 33 ID 7AfC3mxE 203 GJ。 ふと思ったんだが、21話最後の「不貞寝してるかと思った♪」というセリフから考えて、 こなたは、すべてわかってたんだろうか・・?? そうでなければ、あのセリフはでない感じがするが・・・ それにしても、この話のみwikiさんは激しくGJだなw ☆ 217 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/10(月) 16 30 12 ID HokiEL90 つーか公式がどうあれ、そこは妄想力を駆使して脳内補正ですよ 218 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/10(月) 16 49 12 ID bZVl9Heg 結局アニメでこなたとみさおがかがみを取り合うシーンはやらんのかアアアアアアアアああああ 219 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/10(月) 16 58 44 ID qBZBWezB かがみんはガチってよりこなたを好き過ぎだと思うんだ 百合とか友情とか母性とか、そういう言葉じゃ説明できないくらいにw 220 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/10(月) 17 08 44 ID ZEqJi82L 今回の話の明暗の別れ方でもう こなたの圧勝を印象付けたから 今更取り合いでもないと思う。 だがまぁ学園祭はお約束でメイドカフェになりそうだから クラスが違ってもこなたは強引にかがみを 手伝いに引っ張りこもうとするだろうな。 そこまでやっても取り合いはないか。 初めから結果が判ってるし 221 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/10(月) 17 10 14 ID mVg4X/OV 宿題を写しにくるこなたに「来るな」といいつつ 実際に来ると凄く嬉しそうに「部屋冷房入れといたよ」とか準備していたり ゲーマーズに付き合ってといわれると「今日は無理」といいつつ 結局付き合ってたり、本当は自分が当てにされるのが凄く嬉しいんだろうな こなたが「あっそう」とか言ってあっさり諦めた時の反応が見てみたいw 222 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/10(月) 17 24 05 ID zf4WwM7X 221 こなたは「あ、そう」なんて愛のない諦め方はせん!! 「むぅ、少しくらい付き合ってくれてもいいじゃん……」 とかぶつぶついいながら肩を落としつつ自分の教室に戻ると思うぜ!! そしてそれを追うように教室を飛び出すかがみ…… そんでもってわざわざ追いついて「し、しゃあないわね。一緒に行ってあげるわよ」 とかツンデレ…… をしようと思ったんだけど。 廊下で偶然会ったひよりと、楽しそうに約束をとりつけるこなたを見て (´・ω・`)なかがみ…… やばい、病気が悪化してる。 ちょっと薬の量を増やしてもらうか…… 243 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/10(月) 22 45 12 ID eKRsi46l 221 その2つのシーンは原作だとかがみが拒否るところと 付き合うとこはまったく別の話なんだよな つまりアニメだと意図的にいったん拒否るけど 結局はこなたに付き合うかがみ、というように見せているわけだ アニメ版でこなかがファンが増えたのがわかる気がするよ ☆ 224 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/10(月) 18 48 17 ID w3Zdwuz6 俺のキャラソン こなたとかがみのディスク入れ替えて収納してる なんか幸せそうな表情してるよ 225 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/10(月) 19 11 36 ID TQtGr24U 224 よう俺 226 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/10(月) 19 21 24 ID BsQkbV4w 224 そのネタ貰ったあああああああ! かがみんのあの照れ顔はそういう事だったのか 227 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/10(月) 19 25 46 ID dz7DiAWJ おいおい、このスレには愛すべき変態さんしかいないのか 229 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/10(月) 19 53 49 ID jNrrjvC1 227 変態なんかじゃないぜ・・・こなたとかがみの間に流れるラヴオーラの熱気に、俺達自然とこうなっちまっただけなのさ。 つまり罪なのは、公然と人前でイチャイチャし続けるこなかがカップルのほうなのさ・・・。 230 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/10(月) 20 16 03 ID 8hR/ZB5C ひとえに 愛 だ よ 231 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/10(月) 21 17 09 ID s8+la3+v こなかがってなんの抵抗もなく受け入れられるよなww 233 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/10(月) 21 33 12 ID M7AsfOBz 231 ここは朝チュンでどうかひとつ… こんなこと言うのもおかしいかも分からんが、実際にしてるところは見たくないんだよなー ちょっと絡み合ってキス止まりが理想…なんて贅沢すぎかw もはや公式的にもこな×かがが認定された感じではあるけど、 「一番の親友として」ってほうが個人的には良いかなと こなたなんてエロゲーやってるしw 237 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/10(月) 21 45 15 ID WDXWL+YJ 233 でもここのSSは行っても大抵ディープキス止まりだよな。 242 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/10(月) 22 43 58 ID VGpZCfnx 237 これ以上激しくなるとエロパロ板行きになる罠 246 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/10(月) 23 12 23 ID WDXWL+YJ 242 そのおかげであくまで感情とか心情だけの、 ニヤニヤ出来るSSが生まれるんじゃないかと思う ☆ 244 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/10(月) 22 50 18 ID jNrrjvC1 つか、ディープキスする仲になったら、もはや親友ではなく立派な恋人じゃないか? 最終回の文化祭で一波乱あって、こなたとかがみの関係に、いい意味での微妙な変化が訪れて欲しいと思ってる俺。 }} 245 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/10(月) 23 09 17 ID TqfyL2Hm かがみ「どうしよう…やっぱりこんな気持ち、同性に対して抱くなんておかしいよね… こなたに告白なんてしたら、引かれちゃうかな…うぅぅぅぅ」 こなた「私はかがみのこと好きだヨー?性別とか関係ナシに」 247 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/10(月) 23 18 42 ID BnMxFDD3 244 文化祭と言えばPS2版「陵桜学園 桜藤祭」で行う演劇で こなたとかがみのキスシーンが入る予定だったがボツになったと以前聞いたが… アニメ版で何かしら補完してくれないかな… ☆ 253 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 00 03 53 ID BsQkbV4w かがみ:泉こなたのねんどろいど下さい(///) 254 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 00 05 49 ID zf4WwM7X かがみ「泉こなたをください(///)」 そうじろう「……え?」 255 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 00 07 41 ID FwdyEMUo 吹いたwwそのうちほんとに言いかねないから困るwww 256 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 00 09 33 ID ZMUt9q4s そうじろうは彼氏は認めないと言ったが彼女は・・・? 257 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 00 14 29 ID QyiJRyix そりゃー娘が増えるんだから大歓迎だろう 258 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 00 18 23 ID /453WebU こなた「お父さん前に彼氏はだめだって言ってたけど」 そうじろう「確かに言ったな」 こなた「じゃあ彼女は?」 そうじろう「だめに決まってるじゃないか」 こなた「どうしてさ?」 そうじろう「こなたはずっと子供のままの方が萌えると思うんだ」 こなた「……」 そうじろう「すまん、謝るからそんな目で見ないでおくれ」 259 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 00 30 44 ID e6/wTl/9 俺がいっぱい^^ 260 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 00 38 25 ID DSnk/kjq ていうかさあ、これだけらぶらぶな二人を見て「こなた×かがみ」を 想像しないほうがむしろ変だろ、常識(ry 261 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 00 48 08 ID o4kpsFu8 257 こんなんどうかな? こなた「おとーさん、私の名前についてどう思う?」 そうじろう「? いい名前だと思うぞ。 こなたって名前はかなたから来てる名前だしな。 お父さん大好きだ」 こなた「そっかぁ(嬉しそう)」 そうじろう「?」 (数日後……) こなた「お父さん、紹介するね。 この人が私の……」 そうじろう「って、前にうちに泊まりにきた柊かがみさんだろ?巫女さんの」 かがみ「えっと…おじさ…ち、違った! お義父さん!わたし、こなたさんと幸せになります!!」 そうじろう「!??!」 こなた「私の大事な婿――『あなた』です。 ね、あなた?」 ハイハイ、病んでますね…orz 262 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 00 48 23 ID fXI8MLme 案外そうじろうが百合厨だったり… 264 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 00 57 19 ID /453WebU かがみ「こなた、大好き……違うな。愛してるわ、こ・な・た……これも違うか。 あんたと付き合ってあげてもいいわよ……在り来たりすぎるわよね」 つかさ「あ、もしもしこなちゃん?お姉ちゃんがこなちゃんのねんどろいどに向かって告白してるんだけど どうすればいいかなぁ?」 265 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 01 11 12 ID ZMUt9q4s つかさが黒く見えるのは気のせいだろうか・・・? 266 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 01 14 21 ID cvH/yIYH ひーらぎの妹は、ぶっちゃけちゃう性格なだけなんだZE! 267 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 01 26 38 ID /453WebU 264 こなた「取り敢えず、私も好きだよって言っといて」 つかさ「うん♪分かったぁ♪」 つかさ「あ、もしもしこなちゃん?さっきのことお姉ちゃんに伝えたら ものすごい勢いで家飛び出して行っちゃったんだけど」 こなた「……ふぇ?」 つかさ「なんか今日は友達の家泊まってくとか言って」 こなた「え」 ピーンポーン ドンドンドンドンドン こなた「!!」 269 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 01 32 41 ID FD3kDjPk 相手の気持ちが分かったとたん暴走して家まで押し掛けに行っちゃうかがみ萌え 270 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 02 46 28 ID fjwEBCty アニメ見てきた。最近つかさが干されてる気がする。 一年生組の台頭もあって、こなたとかがみの絡みは少なかったな。 かがみの髪で遊んでたくらいか。 271 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 02 52 50 ID FD3kDjPk 嫌と言いつつも買い物に付き合うかがみは本当にこなたが好きなんだな ってか絡み多くなかったか?いやいつものことか 272 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2007/09/11(火) 04 05 50 ID azSoKzyN 267 おもわずふいたwwwwwwwww すげぇ行動力だなwwwwww 273 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 04 24 50 ID 48v4Vkni 確か古い言い伝えか何かで 「髪を触る=深い関係」という意味があったはず ・・・もう言わなくても分かるな?w
https://w.atwiki.jp/oyatu1/pages/1181.html
こなたがここまで甘えん坊だとは思わなかった。 学校じゃそんな素振りを全く見せないのに…。 え?いつも抱きつかれてるじゃないかって? あ、あれはふざけてるだけでしょ!! 別に抱きつかれて嬉しいとか思ってるんじゃないんだからね!!ほ、本当よ!! 「…かがみぃ…」 …か細い声でこなたが私を呼ぶ。 えーと…学校と様子が全く違くないか?こなたさん。 ――甘えたい―― 「どうしたの?こなた」 「…えーとね…その…」 ん?こなたにしては歯切れが悪いわね………。 「何よ?言ってごらん」 「いやね……別に用がある訳じゃないんだけどさ…」 「はぁ?何よそれ」 「…ごめん」 ちょ!!そこで泣きそうになるの!? 「いやいやいや!!そこは謝る所じゃないでしょ…」 「ごめん…」 「だから謝るなって」 私はこなたを抱き寄せる。 「こなたが好きな時に私を呼んでくれたっていいわよ、用がないから呼んじゃ駄目な訳ないし」 「…うん…」 「…もしかしたら甘えたいから私を呼んだんじゃないの?」 「ひぐぅ!?」 なんか凄い驚き方だな…。 しかも図星みたいね…。 「…だって…かがみに甘えたいんだもん…かがみから一時でも離れたくないんだもん…」 「アンタねぇ…学校の時はどうなのよ?授業中はどうしてるの?」 「皆に気付かれない様に泣いてるよ…」 な…マジですかこなたさん! 「泣いてるって…アンタねぇ…」 「だって離れたくないんだもん!ずっと側にいてほしいんだもん!!」 「分かってるわよ、だから今一緒じゃない」 「…足りないよぉ…もっとかがみと一緒にいたい…」 「はぁ…アンタってこんなに甘えん坊だったっけ?」 「…だって…甘える事が出来る人がかがみだけなんだもん…」 「え?いやアンタ…」 「…お父さんの前じゃ…泣けないもん…泣いたらきっと…お父さんも泣いちゃう…」 「こなた…」 確かこなたのお母さんは死んじゃったんだよね…だからこそ甘えられる人が少ない…ん? 「ねぇこなた、何で私だけなの?つかさもみゆきもいるじゃない」 そう、何で私だけなんだろう…つかさにみゆき…更に他の人もいるじゃない。 「だって…かがみが好きだから…」 なっ!?コ、コイツ……素で言うか!?しかもこのタイミングで!! 「かがみが好きなんだもん…好きな人に甘えたいよ…」 「っ……もう…!」 「かがみは…嫌?」 嫌……?じゃないっての。 いいからその涙を溜めての上目遣いはやめてほしい、私の理性が砕け散る。 ってかもう既に限界を突破している、最初からね。 「…私は…嫌…かな」 「っ!!!」 なーんて、嘘だけどね。 いつも学校でからかわれてるからそのお返しも兼ねて言ってみた。 「…う……ふぐ………」 ……ってあれ? 「ひっく………えぐ………」 な、泣いちゃった!? アンタこんなに泣き虫じゃないでしょ!! 「ち、ちょっとこなた!?」 「ひぐ…うぅ……ふぇ…」 まさか私にツンデレな台詞を言わせたいだけじゃないだろうな………。 …と思ったけど…本当に泣いてる…!! 「な、泣かないでこなた…」 「…ひっく…嫌わ…れた…かがみに…嫌…われ…た…」 「嫌ってないわよ…今のは嘘よ…甘えられるの…嫌じゃない」 「…甘えたから…私が…甘えたから…嫌われた…」 「っ!!そんなことないわよ!!取り敢えず落ち着いて!ね?」 「私が…私が…」 …私の声が聞こえてないみたいだ。 えぇい!!こうなったら!! 「わた……はぅ!?」 …え?何をしたんだって? 決まってるでしょ、ここまで読んでくれたあなた達なら。 ①手で口を塞いだ ②部屋から追い出した ③口で口を塞いだ…要するにキスをした これで①・②を選んだ人は…。 「辞世の句をどうぞ」 ん!?今みゆきの声が聞こえてきた様な…まぁいいや。 そう、お察しの通りこなたにキスをした。 「…えーと…こなた…?」 泣き止んだみたいだけど…今度は俯いたまま何も喋らない。 …まさか…怒った? 「おーい…こなたー?」 「………」 ちょっとこなたの顔を覗き込んでみる。 …うわ!!顔が真っ赤だ!! 「ち、ちょっと!!アンタ大丈夫!?」 「…甘い…」 へ? 「甘かった…かがみのキス…」 いやいやいや、何を言ってるんですかこなたさん。 「と、取り敢えず泣き止んだみたいね……アンタこんなに泣き虫だったっけ?」 「……駄目?」 いや、駄目じゃないけど……だからその上目遣いはやめてほしい、理性がヤバいから。 もう崩れるから。 既に崩れてるけど。 「…駄目じゃないわよ、好きなだけ甘えていいから…」 「…ありがとう…かがみ…大好き…」 う…改めて言われると結構恥ずかしいわね…。 「ね…かがみ…」 「なに?こなた」 「…ずっと…一緒にいてね」 「…分かってるわよ、アンタが嫌って言っても一緒にいるから」 「…やっぱり…私の事…」 いやいやいや!!だから何でそこで泣く!? 聞き間違えなのか!?そしたら物凄い聞き間違えだぞ!? 「だから違うわよ!!こなたが嫌って言っても一緒にいるって言ったの!!」 「…私…言わないよ?」 「例えよ例え!!とにかくずっと一緒にいるから!」 本当にもう!!世話が焼けるんだから!! このままじゃ私がついていてあげないとね…。 「ピーピー(cvくじら)」 ん?…もう9時…ってこの時計…こんな機能があったのね…。 (実際はありません、こなかがへの愛です) 「こなた、もう9時だけど…」 「え……嫌…」 嫌…って私まだ何も言ってないわよ…。 「どうする?もう遅いし…泊まってく?」 「いいの…?」 「勿論いいわよ、こなただし」 ってか何を今更…もう何回も泊まってってるじゃない。 「…うん…そうする…」 まぁ予想はしてたけどね、絶対に泊まっていくって。 ―――――――――― その後、一緒にお風呂入ったりご飯を食べたりして今二人で寝ようとしている。 一緒にお風呂入ったって? 当たり前でしょ、当然よ。 「どうする?布団がいいなら布団を持ってくるけど」 「…一緒」 ですよねー。 「じゃあ…おいで、こなた」 私が呼ぶと子供みたいにやって来るこなた。 …なんか妹みたいね…。 つかさだけで充分なんだけど。こなたは妹より恋人の方が断然にいいわ。 今遠くで「どんだけー」って聞こえた様な気がした。 「大丈夫?狭くない?」 「…うん…かがみ暖かい…」 「う……恥ずかしい事言わないでよ…」 「だって本当の事だもん…」 まぁいいけどね…。 「…かがみ」 「…なによ」 「大好きだよ…」 「…私もよ、こなた」 本当に私と2人っきりだと甘えん坊になるな…。 ま、いっか!! お休みこなた、いつまでも一緒にいるからね。 END- コメントフォーム 名前 コメント GJ!!(≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-08-17 13 25 51) らきすたこんな話だったらいいのになぁ。 ところでこなたとかがみって誰の家にいたのだろう? -- 名無しさん (2014-02-22 22 16 23) ヤバい2828が止まらない。甘えるこなたの破壊力が高い。 -- 一条ニート (2013-11-22 23 50 20) だば(ry -- 名無しさん (2013-01-16 19 13 17) もえ -- かがみんラブ (2012-09-21 08 41 15) いい。これはいいw -- 名無しさん (2010-07-11 17 55 28) ニヤニヤが止まらない…弱気になったこなたってヤバいぐらいにクる物がありますねwww -- 名無し (2010-07-02 14 54 40) いつ読んでもニヤニヤw 鼻血モノですわwww -- 名無しさん (2010-04-05 19 26 54) にやにやが止まらんww -- 名無しさん (2009-11-22 10 14 27) 泣き系のこなたはガチ -- 名無しさん (2009-09-05 00 26 58) リアルに泣いた -- 名無しさん (2009-09-04 02 37 24) こ. ..これは俺の脳内設定のかがこなそのものだ! GJ -- 紫電 (2009-06-22 21 55 50) 甘すぎDEATHぁwwww -- 名無しさん (2009-06-02 00 39 33) 甘えんぼこなたは破壊力でかすぎるww -- 名無しさん (2009-06-01 01 45 26) 好きな人にだけ見せる自分の弱い姿。 こなたの場合普段が元気の塊みたいだからそのギャップがすごいんでしょうね。 もうかがみんの理性の箍は弾け飛ぶ3ミリ秒前ってとこでしょうか? 今回もまた素晴らしいです! -- こなかがは正義ッ! (2009-05-18 13 49 06) 投票ボタン(web拍手の感覚でご利用ください)